レゾナックとマイクロ波化学、混合プラスチックから基礎化学品を製造する新技術開発へ

・NEDOのGI基金事業に採択され、混合プラスチックから基礎化学品を製造する技術開発を開始
・マイクロ波加熱を活用し、有用基礎化学品の収率60wt%以上、CO2排出0.8 kg/kg以下を目指す
・2025年から数千トン/年規模の実証を行い、多様な使用済みプラスチックに対応する技術確立へ

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株式会社レゾナックとマイクロ波化学株式会社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業に採択されたプロジェクトとして、混合プラスチックから基礎化学品を製造するケミカルリサイクル技術の開発を本格的に開始しました。

両社は2025年3月より、使用済みプラスチックにマイクロ波を照射して分解し、基礎化学品を製造する技術の開発に共同で取り組みます。この取り組みは、2022年から開始した共同開発をさらに発展・強化するものです。

本プロジェクトでは、実際の混合プラスチックを直接基礎化学品に変換・再生する熱分解技術の開発を行います。具体的には、有用な基礎化学品を収率60wt%(重量パーセント)以上で製造し、製造時に排出されるCO2を0.8 kg-CO2/kg-オレフィン以下にする技術の確立を目指します。

両社はすでに新品のプラスチックを用いたモデル系での実験を終えており、三元系(PE、PP、PS)では80wt%、五元系(PE、PP、PS、PET、PVC)では70wt%の有用基礎化学品収率を実現できています。

さらに、マイクロ波加熱などを活用した熱分解を数千トン/年の実証スケールで行い、多様な使用済みプラスチックに対応できる技術の開発に取り組みます。これにより、化石資源に頼らないプラスチック原料製造技術の確立を目指し、CO2排出量の大幅な削減に貢献することが期待されています。

本技術開発が成功すると、化石資源を原料とし、製造工程および廃棄時の燃焼処理で多くのCO2を排出するプラスチックの再資源化が可能となります。混合状態で排出されるプラスチックを、高度選別せずに熱分解して基礎化学品に再生する技術を確立できれば、資源循環社会およびカーボンニュートラルの実現に向けた重要な一歩となるでしょう。

《編集部》

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