気候変動枠組条約(UNFCCC)とは

気候変動枠組み条約 (United Nations Framework Convention on Climate Change, UNFCCC) は、国連の枠組み条約の一つであり、「温暖化防止のため大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させること」を究極の目的としています。

データ・リサーチ 単語集
気候変動枠組条約(UNFCCC)とは

気候変動枠組み条約 (United Nations Framework Convention on Climate Change, UNFCCC) は、国連の枠組み条約の一つであり、「温暖化防止のため大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させること」を究極の目的としています。

気候変動枠組み条約(UNFCC)で決められていること

実は気候変動枠組み条約(UNFCC)それ自体は、温室効果ガスの具体的な削減目標は定められていません。具体的な数値は締約国が毎年参加して開催されるCOP(締約国会議)で議論、決定されます。

締約国に求められていることは以下の3点などがあります。

  1. 温室効果ガスの排出量及び吸収の目録の作成と定期的更新

  2. 具体的対策を含んだ計画の作成・実施

  3. 目録及び実施した又は実施しようとしている措置に関する情報を締約国会議へ送付(実施時期及び期限等の実施に関する具体的規定はない)

これに加えて、先進国には排出量などの報告義務が課されるほか、途上国の温暖化対策を支援するためのメカニズムなども決められています。

気候変動枠組み条約(UNFCCC)のこれまでの成果

気候変動枠組み条約に基づきCOP(締約国会議)が毎年開催され、気候変動に関する重要な議題について議論、交渉、目標設定などがなされてきました。

その中でも特に有名なのがCOP3で採択された京都議定書とCOP21で採択されたパリ協定です。

京都議定書はCOP3で採択された、気候変動に関するいわば最初の「世界的な約束ごと」です。先進国に対して温室効果ガスの排出量削減を要求し、各国で具体的な目標を定めています。

パリ協定は京都議定書の反省点を踏まえて2015年のCOP21で採択されました。こちらは2020年以降の新たな国際的枠組みとしての役割を果たしています。パリ協定の革新的な点は、先進国だけではなく途上国にも取り組みを求めている点です。このことから歴史上はじめての「すべての国が参加する公平な合意」と言われています。

タイムライン

1992年5月 国連総会で採択
1992年6月 国連環境開発会議(通称:地球サミット)で日本を含め155カ国が署名
1993年5月 日本の批准
1994年3月 条約発効
1997年(COP3)京都議定書採択(発効は2005年)
2015年(COP21)パリ協定採択(発効は2016年)

気候変動条約(UNFCC)の締約国

気候変動枠組み条約(UNFCC)の締約国は2022年11月時点で198か国です。日本は1992年に署名、1993年に批准しています。

締約国は、条約の「共有に有しているが差異のある責任及び各国の能力」という原則により、異なった扱いを受けます。ざっくりいうと、これまで温室効果ガスを排出し経済発展を遂げた先進国と、そうではない途上国の取り扱いの差です。

  • 附属書I国=温室効果ガス削減目標に言及のある国(先進国及び市場経済移行国)

  • 非附属書I国=温室効果ガス削減目標に言及のない途上国(附属書I国以外の国)

  • 附属書II国=非附属書I国が条約上の義務を履行のため資金協力を行う義務のある国(先進国)

附属書I国:オーストラリア、オーストリア、ベラルーシ、ベルギー、ブルガリア、カナダ、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、EU、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、モナコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、ウクライナ、イギリス、アメリカ

附属書II国:オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、EU、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、イギリス、アメリカ

《The Green Economy編集部》