コスモエネルギーホールディングス株式会社と国立大学法人静岡大学は、海水の電気分解による経済性の高いグリーン水素製造に向けた共同検討を開始することを発表しました。2025年1月6日に締結された契約に基づき、両者は革新的な技術開発を推進していきます。
今回の共同研究の背景には、日本国内でのグリーン水素製造における電力コストの高さという課題があります。CCU(二酸化炭素の回収・利用)の実現には、より経済性の高いグリーン水素製造技術が求められています。
静岡大学が開発したCOCR(Carbon dioxide Ocean Capture and Reuse)技術は、海水中のミネラル分でCO2を固定化し、同時に水素を製造する革新的な方法です。この技術を活用することで、CO2から有価物の製造・販売が可能となります。水素製造工程での固定費を削減することで、既存のグリーン水素製造よりも経済性が高まる見込みです。
コスモエネルギーグループは、グループ会社のコスモエコパワー株式会社から再生可能エネルギー由来の電力を調達できることに加え、石油精製で使用する海水くみ上げ設備も保有しています。
共同検討では、これらの資源と静岡大学のCOCR技術を組み合わせ、より経済性の高いグリーン水素製造プロセスの開発を目指します。両者はCO2削減効果や投資採算性を検討し、カーボンニュートラル製品の低コスト化に取り組みます。
コスモエネルギーグループは「2050年カーボンネットゼロ」を宣言しており、本研究はその実現に向けた具体的な取り組みの一つです。一方、静岡大学は温室効果ガス削減に寄与する基礎研究や学際的研究を進めており、その成果の社会実装に積極的に取り組んでいます。両者は、今回の産学連携を通じて、持続可能な社会の実現と企業の発展を目指していくことになります。