JFEエンジニアリング株式会社は、2024年より販売中の水素混焼ガスエンジンコージェネレーション設備「JFE-MWM/Hシリーズ」の水素混焼率を最大45vol%まで大幅に引き上げるバージョンアップに成功しました。都市ガス13A専焼と同一出力を保ちながらの水素混焼率45vol%達成は世界初となります。
同社は従来から販売していた400kWから800kWクラスの都市ガス専焼高効率ガスエンジンコージェネレーションシステムのJFE-MWMシリーズを水素混焼用に改造し、2024年5月に水素混焼率最大25vol%のJFE-MWM/Hシリーズとして販売を開始していました。その後も実証試験を継続し、今回水素混焼率を45vol%まで引き上げても、都市ガス13A専焼と同一出力、同レベルの発電効率を達成しました。
水素混焼においては混焼率の引き上げと、発電効率維持・窒素酸化物(NOx)低減の両立が難しいとされています。しかし、Hシリーズでは、発電効率を維持したままNOx排出基準の上乗せ規制値(条例・指導要綱等)の200ppm(O2=0%)以下を満足する性能を実現しました。
Hシリーズの特長として、従来の都市ガス13A専焼機を簡易なレトロフィットにより水素混焼化した機種であるため、都市ガス13A専焼機として導入した場合でも、将来的に水素混焼仕様に改造することが可能です。また、「水素混焼モード」と「都市ガス専焼モード」の2つの運転モードを搭載し、停電時における都市ガス専焼での自立運転も可能となっています。
ラインアップとしては、JFE-MWM390/H(定格出力390kW)、JFE-MWM585/H(定格出力585kW)、JFE-MWM780/H(定格出力780kW)の3機種があり、いずれも水素混焼率0~45vol%に対応しています。
JFEエンジニアリングは、長年にわたるガスエンジンコージェネレーションシステム開発の知見を活かし、顧客のカーボンニュートラルへの取り組みに貢献していくとしています。
(トップ画像は公式サイトより引用、JFE-MWMシリーズ)