鹿島のCO₂吸収コンクリート、7.78 t固定に貢献 政府が初算定

・鹿島のCO₂-SUICOM
・CO₂固定量を国連に報告
・2050年カーボンニュートラル

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鹿島のCO₂吸収コンクリート、7.78 t固定に貢献 政府が初算定
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鹿島建設株式会社は、同社が開発した製造時にCO₂を吸収・固定するコンクリート「CO₂-SUICOM」(シーオーツースイコム)のCO₂固定量が、3類型(4種類)の環境配慮型コンクリートのひとつとして世界で初めて算定され、国際連合に報告されたことを発表しました。

日本政府は、気候変動に関する国際連合枠組条約やパリ協定に基づき、毎年温室効果ガスの排出・吸収量の目録を作成し、国連に提出しています。2024年に環境省より公表された2022年度の算定結果において、「CO₂-SUICOM」を含む環境配慮型コンクリートのCO₂固定量が算定されていました。総量約17トンが国連に報告され、そのうち「CO₂-SUICOM」は舗装ブロック55.6m³で3.614トン、埋設型枠27.8m³で4.17トン、合計7.78トンが計上されています。

「CO₂-SUICOM」は、コンクリートの主な原料であるセメントの半分以上を特殊な混和材「γ-C₂S」(ガンマシーツーエス)と産業副産物に変更することにより、従来セメント製造時に排出されていたCO₂を削減する環境配慮型コンクリートです。さらに、製造段階で、強制的にCO₂を供給する「炭酸化養生」を実施することにより、コンクリートが固まる際にγ-C₂Sが大量のCO₂を吸収・固定します。

鹿島は「CO₂-SUICOM」の市場展開を推進し、CO₂吸収コンクリートの普及を加速させることで、2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献する方針です。環境配慮型コンクリートはJクレジット化が検討される予定であり、環境技術を牽引する存在として、同社の今後の取り組みも注目されています。

《編集部》