カーボンクレジット事業を展開するクレアトゥラ株式会社は、シリーズAファイナルクローズにおいて2億円の資金調達を実施したと発表しました。今回の調達により、シリーズAでの累計調達額は5.5億円に達しています。
引受先は、NVCC9号投資事業有限責任組合、水素の森投資事業有限責任組合、東急建設-GBイノベーション投資事業有限責任組合です。クレアトゥラは調達した資金を活用し、国内外でのカーボンプロジェクト開発やIT/SaaSの開発を加速させる方針です。
世界的に気候変動対策の必要性が高まる中、カーボンクレジットの需要は2020年時点の1億トンから2030年には11億トンまで拡大すると予想されています。日本でも2026年度から排出量取引制度が開始されることが閣議決定され、需要の飛躍的な増加が見込まれています。
クレアトゥラは、株式会社クボタおよび東京ガス株式会社とフィリピン・パンガシナン地方で水田のメタン削減プロジェクトを立ち上げるほか、ベトナム、タイ、バングラディシュでのプロジェクト開発を進めています。また、東京ガスとは、国内でのJクレジット創出も推進しています。
同社のCEOである服部倫康氏は「テクノロジーとカーボンファイナンスを駆使し、先進的なソリューションを創造する企業として、かけがえのない自然を次世代へ残すために、全力で挑戦し続けます」とコメントしています。
クレアトゥラは今後、JCM制度のもとに、フィリピン・日本両政府に働きかけ、農業分野における第1号案件としてフィリピン・パンガシナン地域のプロジェクトの早期登録およびクレジット発行を目指すとしています。同時に、フィリピンの他地域や東南アジア、南アジア諸国のプロジェクトも進めていく予定です。
今回の資金調達により、クレアトゥラは「かけがえのない自然を次世代へ」というミッションの実現に向けて、事業拡大のスピードを加速させることが期待されます。質の高いカーボンクレジットの供給を通じて、企業の脱炭素化実現を支援し、持続可能な社会の構築に貢献していくでしょう。