パナソニックと三菱ガス化学、CO2由来の環境配慮型ユリア樹脂を共同開発

・パナソニックと三菱ガス化学がCO2由来の環境配慮型ユリア樹脂を開発
・CO2排出量を従来比20~30%削減可能な新素材
・2025年度以降に配線器具への採用を目指す

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パナソニックと三菱ガス化学、CO2由来の環境配慮型ユリア樹脂を共同開発

パナソニック株式会社エレクトリックワークス社と三菱ガス化学株式会社は、CO2を原料とした環境配慮型ユリア樹脂の共同開発に成功しました。ユリア樹脂は、配線器具の通電箇所に使用される素材です。

従来のユリア樹脂は、一度硬化すると加熱しても溶けず、マテリアルリサイクルが困難でした。新開発のユリア樹脂は、CO2から製造したメタノールを原料としており、カーボンリサイクルの実現とCO2排出量の削減が可能となります。具体的には、原料の製造過程でCO2を固定化し、従来のユリア樹脂と比較してCO2排出量を約20~30%削減できる見込みです。

環境配慮型ユリア樹脂は、従来品と同等の品質を維持しつつ、製造工程の変更なしで配線器具に適用可能です。パナソニックは2025年度以降、この新素材を使用した配線器具の販売を目指す意向です。これにより、住宅やビルなどの建築物設備の資源循環に貢献し、エンボディードカーボンの削減にもつながることが期待されます。

両社は今回の開発を通じて、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速させています。パナソニックは今後も、ユリア樹脂以外の材料についても環境配慮を推進し、サーキュラーエコノミーとカーボンニュートラルの実現に向けて尽力する方針です。

この共同開発は、従来リサイクルが困難だった素材に新たな可能性をもたらしており、建設業界における環境負荷低減の一助となることが期待されます。今後の実用化と普及に向けた両社の取り組みに注目が集まりそうです。

《編集部》

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