レモン廃材から名刺にアップサイクル、ポッカサッポロとペーパルが試行開始

・ポッカサッポロが6月から広島県大崎上島町の自社レモン農場で発生する剪定枝葉を活用した「国産レモンペーパー」名刺の試行を開始
・レモン栽培で不要となる剪定枝葉を1%混抄した紙を使用し、環境負荷低減と資源有効活用を実現
・サッポログループの環境ビジョン2050における循環型社会実現に向けた具体的な取り組みの一環

企業動向 サプライチェーン
レモン廃材から名刺にアップサイクル、ポッカサッポロとペーパルが試行開始
  • レモン廃材から名刺にアップサイクル、ポッカサッポロとペーパルが試行開始
  • レモン廃材から名刺にアップサイクル、ポッカサッポロとペーパルが試行開始

ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社は、6月上旬から広島県大崎上島町の自社レモン農場で発生するレモンの剪定枝葉を混抄した「国産レモンペーパー」を活用した環境配慮型名刺の試行を開始すると発表しました。本件は、世界環境デーおよび環境月間に合わせた取り組みとなります。

同社は2013年に広島県とパートナーシップ協定を、2016年には広島県大崎上島町とレモンの生産振興等に関する包括協定を締結するなど、国内のレモン産地との連携を深めてきました。2019年には大崎上島町に自社農場を設け、社員自らが生産に携わりながら国産レモンの生産振興と地域社会への貢献を進めています。

植え付けから5年以上経過したレモンの木は、果実のなる部分が木の表面部分に偏り収穫量が減るため、不要な枝を切る「剪定」が必要です。これにより、木の内側の風通しや日当たりが良くなり、木の成長と豊富な収穫を図ることに繋がります。一方で、剪定された枝葉は人手不足等のため処理しきれず、そのままとなっているケースも少なくありません。

今回、大崎上島町の自社農場で発生した、未利用のレモン枝葉を混抄した「国産レモンペーパー」として再生し、これを名刺に活用することで環境負荷低減と資源の有効活用を目指します。

開発を担当した株式会社ペーパルは「まずはレモンの枝と葉、それぞれの水分量と繊維構造を丁寧に見極め、最適な細かさへと加工しました。特に、硬いトゲを持つ枝の扱いは困難を極めましたが、様々な粉砕方法を試し、時には手作業で素材を選別することで、紙への混抄に最も適した粒度を探り当てました」と開発のエピソードを述べています。

さらに、「現代の印刷技術が求める品質に応えるため、複数の加工技術を組み合わせた開発に取り組みました。その結果、紙そのものの温かみとレモンならではの素材感を残しつつも、美しい印刷を可能にする紙を完成させることができました」とレモンペーパーの仕上がりについてコメントしました。

ポッカサッポロフード&ビバレッジは、サッポログループの環境ビジョン2050において「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「自然共生社会の実現」を掲げており、CO2排出量削減や循環型社会に対応した容器包装の展開、プラスチック資材のリデュース・リサイクル、水資源の保全活動、廃棄物・食品ロス削減など、幅広い環境保全活動を推進しています。

同社は今後も、国産レモン栽培の恵みを受け継ぎながら、持続可能な社会の実現に向けて、限りある資源を大切にする地域環境保全活動を推進していくとしています。

《編集部》

関連タグ

特集