コスモエネルギーHDらの国産SAF製造プロジェクトに岩谷産業が参画、廃食用油からの製造開始へ

・コスモエネルギーHDなど6社が国産SAF製造で連携
・廃食用油を原料とし、2024年12月から大規模生産開始予定
・国内唯一の廃食用油由来SAF製造設備で年間約3万キロリットル供給目指す

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コスモエネルギーHDらの国産SAF製造プロジェクトに岩谷産業が参画、廃食用油からの製造開始へ

コスモエネルギーホールディングス株式会社は、国内唯一となる廃食用油を原料とした持続可能な航空燃料(SAF)の製造開始に向けて6社が連携することを発表しました。本取り組みには、コスモ石油株式会社、日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナル、合同会社 SAFFAIRE SKY ENERGYが参加しており、今回、新たに岩谷産業が加わっています。

国内で回収した廃食用油を原料としたSAFは、2025年4月中に製造および供給が開始される予定です。岩谷産業は、食用油調達支援業務委託契約を締結し、全国約330万世帯のLPガス顧客網や産業ガス・エネルギー事業のネットワークを活用して廃食用油の排出元を開拓します。

レボインターナショナルが収集した廃食用油は、SAFFAIRE SKY ENERGYが大阪府堺市で推進する日本初の国産SAF大規模生産プラントに納入されます。2024年12月に完成した本プラントでSAF製造が行われ、年間約3万キロリットルの供給を目指しています。

製造されたSAFはコスモ石油が航空会社へ販売・輸送を担当し、安定した供給体制を確立していく計画です。6社の連携により、廃食用油の調達から、SAFの製造、航空会社への供給に至るまでのすべてのサプライチェーン構築を国内で実現する取り組みが進められます。

SAFは従来の航空燃料と比較して温室効果ガスを最大80%削減できるため、航空セクターの脱炭素化に重要な役割を果たすと期待されています。EUでは2025年からSAFの供給義務化がスタートし、日本でも2030年に航空燃料の10%をSAFに置き換える目標が設定されています。

6社は共同で、廃食用油調達からSAFの製造、航空会社への供給に至るまですべてのサプライチェーン構築を国内で実現する取り組みを進めることで、SAF自給率を高め、循環型社会の実現に貢献していきます。

《編集部》

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