6社の共同出資により設立された「ひびきフローティングウインドパワー合同会社（以下、HFWP）」は4月22日、福岡県北九州市響灘沖に建設した浮体式洋上風力発電所の商用運転を開始しました。この発電所は国内で2基目となる浮体式洋上風力発電所であり、鋼製バージ型浮体としては国内初の商用化となります。
発電所の出力は3,000kWで、1基の風車が設置されています。発電された電力は再生可能エネルギー固定価格買取制度（FIT）を活用し、九州電力送配電株式会社に全量売電されます。出資した6社は、SMFLみらいパートナーズ株式会社、株式会社グローカル、株式会社合人社グループ、コトブキ技研工業株式会社、中国電力株式会社、リニューアブル・ジャパン株式会社です。
本プロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の「次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究」として2014年から開発が進められてきました。水深50mから100mの海域での運用を想定し、低コストかつ日本の気象・海象条件に適合した堅牢な浮体式洋上風力発電システムの技術確立・検証を目的として取り組みました。
2019年5月から実証運転が行われ、設備の評価や検証に加え、効率的な保守管理技術も開発。2024年3月末の実証研究終了後、株式会社グローカルがNEDOより設備一式を引き継ぎ、本発電所の管理・運営会社としてHFWPを設立しました。
出資・参画各社およびHFWPは、漁業関係者を含む地元ステークホルダーとの共生を図りながら、安全かつ安定的な運用を最優先に取り組むとしています。また、浮体式洋上風力発電の分野で先行する本発電所の運営を通じて、知見や実績を蓄積していく考えです。再生可能エネルギー主力電源化の切り札とされ、今後需要拡大が見込まれる浮体式洋上風力発電の先駆者として、技術革新と普及拡大を推進し、脱炭素社会の実現に貢献していく姿勢を示しています。
本プロジェクトが、日本の洋上風力発電技術の進展と再生可能エネルギーの普及拡大に向けた重要な一歩となることが期待されます。
