日鉄エンジニアリングら、清掃工場から回収したCO2のコンクリート固定に成功

・清掃工場の排ガスからCO2を回収し、コンクリートブロックに固定化
・43kg/m3のCO2固定を確認、カーボンネガティブにつながる取り組み
・大阪・関西万博のパビリオンにベンチとして設置予定

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日鉄エンジニアリングら、清掃工場から回収したCO2のコンクリート固定に成功

日鉄エンジニアリング株式会社、東京二十三区清掃一部事務組合、安藤ハザマの3社が主幹事を務めるCPコンクリートコンソーシアム(以下、CPCC)は、東京都板橋区の板橋清掃工場で実証試験を行い、清掃工場の排ガスから回収したCO2をコンクリートブロックに固定化することに成功しました。

実証試験は、2024年10月末から12月末にかけて板橋清掃工場敷地内で実施されました。実証には、日鉄エンジニアリングが開発した可搬式CO2回収装置「m-ESCAP™」を使用。回収したCO2をCPCCが製作したコンクリートブロックに固定し、43kg/m3のCO2固定を確認しました。

本取り組みは、NEDOのグリーンイノベーション基金事業の一環として実施されたものです。CPCCによる「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」と、日鉄エンジニアリングによる「CO2分離・回収を前提としたCN型廃棄物焼却処理全体システムの開発」という異なる研究分野の連携によって実現しています。

本事業は、CPCCがコンクリートへのCO2吸収固定を行う中で、バイオマス由来の削減価値のあるCO2を活用する社会実装を視野に入れて、清掃一組と日鉄エンジニアリングに協力を呼び掛ける形で推進されました。

CO2のコンクリートブロックへの固定は、CCU(Carbon Capture and Utilization)の社会実装に向けた価値ある取り組みです。清掃工場の排ガスを活用していることから、地域社会でのCO2循環および脱炭素化の実現に貢献する取り組みとして注目されます。

今回の成果は、カーボンニュートラル実現に向けた重要な一歩となり、今後の技術開発や社会実装に影響を与えることが期待されます。なお、本技術を活用したベンチが、大阪・関西万博の未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」のパビリオン内に設置される予定です。

《編集部》

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