日清オイリオグループ株式会社とキユーピー株式会社は、イオン株式会社の協力を得て千葉市内の8店舗で使用済み油付きPETボトルの回収実験を行い、目標を大きく上回る成果を得たと発表しました。
今回の実証の目的は、資源循環の実現に向け、使用済みの油付き PET ボトルの排出量や性状(汚れ具合など)を検証することです。
実験は2024年5月29日から11月30日までの約半年間、千葉市内のイオン・イオンスタイル8店舗で実施。家庭で使用したドレッシングや食用油のPETボトルを対象に、各店舗のリサイクルステーション周辺に回収ボックスを設置して行われました。
回収の目標重量100kgに対し、実際の回収量は約175kg、本数にして約5,500本に達しました。当初の目標を75%も上回る結果となっています。

実験を通じて、生活者の資源循環に対する関心の高さが明らかになりました。回収されたボトルのほとんどがきれいな状態で、回収量も徐々に増加傾向にあったことから、取り組みへの消費者の理解と協力が進んでいることがうかがえます。
一方で、回収対象ではない食用油のPEボトルも多く回収されるなど、プラスチック素材の違いを消費者に正確に伝えることの難しさも浮き彫りになりました。
開始から約3ヶ月後に出し方を示すチラシの配布や、回収対象の表現を工夫するなどの対応を実施。油付きPETボトルの回収量が増え、対象外ボトルが混ざる割合が減る傾向となりました。

回収されたPETボトルは食用油やドレッシングのボトルとしての再生利用はしませんが、今後の技術検証に活用する予定です。
今回の取り組みは、プラスチック廃棄物削減という社会課題に対する食品メーカーの積極的な姿勢を示すものとして注目されています。今後、リサイクル体制を確立するにあたり、消費者の協力をいかに得ていくかが課題となりそうです。