廃棄予定の忘れ物傘を活用、東洋が店舗で急な降雨時の無料傘サービスを実施

・埼玉県の買取店「エブリデイゴールドラッシュ」が忘れ物の傘を無料提供するサービスを6月に実施
・日本では年間約1億2000万本の傘が購入され、多くのビニール傘が廃棄物として環境負荷となっている
・このサービスは持続可能な社会への意識向上を目的とし、埼玉県内2店舗限定で実施される

企業動向 ガバナンス
廃棄予定の忘れ物傘を活用、東洋が店舗で急な降雨時の無料傘サービスを実施
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株式会社東洋が埼玉で8店舗を展開する貴金属などの買取店「エブリデイゴールドラッシュ」は、2025年6月1日から30日までの期間、2店舗において急な降雨時に傘を必要としている人に無料で傘を提供するサービスを開始すると発表しました。

本サービスで提供される傘は、様々な施設で忘れ物として届けられ、一定期間保管されても持ち主が現れず、廃棄処分される予定だったものです。返却は不要となっています。「エブリデイゴールドラッシュ SDGs 迷子の傘で梅雨をのりきっちゃおう」と名付けられたこのサービスは、商品売却などの店舗利用の有無に関わらず利用可能です。

サービスを実施するのは、エブリデイゴールドラッシュPAPA上尾店とエブリデイゴールドラッシュイオンせんげん台店の2店舗です。多数の傘を用意していますが、準備数に達し次第終了となります。

東洋はリユース事業に携わる企業の一歩目となる取り組みとして、本サービスを企画。急な降雨で傘を必要とした機会に、ビニール傘の使い捨て問題を意識し、持続可能な世界について考える機会につなげることを狙いとしています。

日本洋傘振興協会などの調査によると、日本で1年間に購入される傘は1億2000万本以上にのぼり、このうち約8000万本と6割以上はコンビニエンスストアや100円ショップなどで販売されているビニール傘となっています。また、東京都内の鉄道会社や商業施設などから警察に届けられる忘れ物としての傘は、東京都だけでも年間約35万本を超えているとのことです。

ビニール傘の大半は、持ち主が特定されません。材質の分別が難しいため、多くがリサイクルされずに埋め立てゴミとして廃棄処分されています。埋め立てても微生物に分解され土壌になるわけではないため、日本のビニール傘の使い捨て文化は、地球環境に与える負荷が非常に大きいと問題視されています。

傘が必要となる機会が多い梅雨シーズに企画された本サービスを通じて、埋め立て処分となる廃棄物の削減とともに、ビニール傘を取り巻く環境問題の認識が広がることが期待されます。

《編集部》

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