三菱電機は、プラスチックのケミカルリサイクルに使用されるマイクロ波加熱を、効率的に制御する技術を開発したと発表しました。本技術を用いることにより、加熱時間を従来の方法より短縮できます。
この新技術は、金属で囲まれた狭い空間におけるマイクロ波の強さと広がりを調整することにより、特定領域へのマイクロ波の集中照射と、その領域内での均一加熱を実現するものです。加熱に使用するアレーアンテナの素子を増やして振幅と移相を最適化し、モニター機能を開発したことにより、調整が可能となりました。加熱ムラがなくなるため、外部加熱方式や従来のマイクロ波加熱に比べて加熱時間を約3分の1に短縮できます。
また、電磁波吸収板への世界初の独自構造の採用により経年劣化を抑制。反射波の影響を低減する回路の開発によるプラスチックリサイクルの低消費電力化の面でも、カーボンニュートラルの実現に貢献します。
プラスチックリサイクルの効率化により、新たな原料の採掘が不要となるため、非再生可能エネルギーを使用する採掘設備でのCO2排出量を削減することが可能です。資源を有効活用し、廃棄物を削減する循環型経済の実現が期待できます。
三菱電機は、2030年までの製品化を目指して実証研究を進める予定です。また、廃棄物処理やリサイクルに関わる企業とのパートナーシップを推進し、プラスチックリサイクルの効率化に寄与する本技術の普及に努めることで、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献するとしています。
なお、本技術は、2024年11月27日から29日にかけてパシフィコ横浜で開催される「マイクロウェーブ展2024(MWE2024)」に出展される予定です。