金属リサイクル脱炭素化のスタートアップSUN METALON、日本製鉄らから約13億円調達 日米での事業展開を加速

金属業界の脱炭素化を推進するSUN METALON Inc.は、シリーズA 2ndクローズにて、日本製鉄、国際協力銀行(JBIC)、Airbus Ventures、Shimadzu Future Innovation Fundを引受先とする約13億円(910万米ドル)の第三者割当増資を実施しました。

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金属リサイクル脱炭素化のスタートアップSUN METALON、日本製鉄らから約13億円調達 日米での事業展開を加速

SUN METALON Inc.は、シリーズA 2ndクローズにて、日本製鉄、国際協力銀行(JBIC)、Airbus Ventures、Shimadzu Future Innovation Fundを引受先とする約13億円(910万米ドル)の第三者割当増資を実施しました。累計調達額は約58億円(3,984万米ドル)となります。今回調達した資金をもとに、日本および米国で事業を拡大し、グローバルでの脱炭素化・循環型社会の実現をさらに加速させる計画です。

Sun Metalonは、金属の製造・リサイクル工程におけるCO₂排出量を大幅に削減する独自技術とソリューションを提供している2021年創業のスタートアップ企業です。同社の独自技術を用いると、金属廃棄物から不純物を除去し、高純度素材として再生することが可能になります。従来の金属リサイクルよりも省スペース、低コストで環境負荷が少ないのも特徴です。

日本製鉄の常務執行役員である園田裕人氏はスタートアップへの投資は今回が初めてであることを明かし、「鉄鋼業界、特に棒線はサプライチェーンが長く、製鉄工程のみならず二次加工・部品加工において多くの廃金属が発生しています。当社グループ内外で発生する廃金属をSun Metalon社の技術を用いて蘇らせることは大きな社会的・経済的意義があると考えています」とコメントしています。

JBIC常務取締役の内田誠氏は「製造業・製鉄業を中心とする金属業界が世界共通で抱える課題を、経済性と環境インパクトの両面から解決できる同社のソリューションは、グローバルなマーケットに変革をもたらす可能性を大いに秘めています」と述べています。

Airbus Venturesプリンシパルの彦坂雄一郎氏からは「大変大きな市場を、ユニークかつシンプルなプロダクトで攻め、脱炭素という人類にとって最も重要な課題を解きに行くという物語に興奮しております」とのコメントがありました。

株式会社島津製作所 基盤技術研究所 みらい戦略推進室長の後藤洋臣氏は「Sun Metalonの金属リサイクルソリューションは、高効率な再資源化とプロセスの脱炭素化が可能な画期的なものです」と評価しています。

SUN METALONのCEO西岡和彦氏は投資家への感謝の言葉を述べた上で、「CO2削減とコスト低減を両立する技術をさらに進化させ、価値あるソリューションを広く届けてまいります」と意欲を示しています。

《編集部》

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