大建工業株式会社、株式会社リバネス、大成生コン株式会社の3社は、香川県三豊市および詫間漁業協同組合と連携し、海洋再生資材の実海域での効果検証試験を開始したと発表しました。
この取り組みは、海藻類の繁茂に寄与する着生基盤の開発を目指すもので、自然由来の素材を原材料として開発を進めています。海洋生物や海洋環境の再生・保全に貢献し、海の豊かさを増進することが目的です。
実証試験では、2025年1月21日に三豊市の海域に大建工業が開発した海洋再生資材の試験材を設置しました。構造や成分が異なる複数種類の資材を開発し、海藻増殖により有効な手法を検証します。
実証期間中は大成生コンを中心に、回復傾向、造成動向を調査し、海洋再生に貢献する新資材の開発に向けた分析を進める予定です。
今回の取り組みの背景には、世界的な生物多様性の減少があります。特に海洋生物の減少率は深刻で、1970年以降の42年間で半数にまで減少したことが報告されています。
大建工業は「当社が担う役割は、これまで培ってきた素材開発技術を活かしたモノづくりです。生態系にプラスに働く資材の研究開発を進め、環境の再生・回復に貢献してまいります」というコメントを出しています。
リバネスは「科学技術の力で海洋環境および生態系を回復させる本開発・実証はまさに推し進めるべき活動といえます」と述べ、今後も様々な研究者や企業が持つ知識や技術を集めて海を豊かにする取り組みを進めていく意向を示しました。
大成生コンは「ユニークな特殊技術やスキルを掛け合わせ、地域に住む私たちの海洋修復の願いと結びつけることにより、事態を打開できる一手を見出したいと思います」と各組織の協力の重要性に言及しています。
三豊市は「本市の豊かな海洋環境を次世代に引き継ぐため、本取組がスタートしたことを大変嬉しく思います」とコメントし、持続可能な漁業の推進や地域の自然環境の保全に大きく貢献することへの期待を表明しました。
詫間漁業協同組合は、「漁業者にとっても持続可能な漁業の推進に寄与するとともに、地域の自然環境の保全にも大きく貢献するものと考えております」と述べ、次世代に海の恵みを引き継ぐ意気込みを示しています。
この産学官連携による取り組みが、海洋環境の再生と地域経済の活性化にどのようなインパクトをもたらすのか、今後の展開が注目されます。