株式会社J-オイルミルズ、日本トランスオーシャン航空株式会社（JTA）、太陽石油株式会社、NEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）は、3月25日沖縄那覇発宮古島行きのJTA565便において、沖縄県産の食用に適さない植物の種子から生成した国産SAF（持続可能な航空燃料）を使用したフライトを実施すると発表しました。
このフライトは、NEDOの助成事業「バイオジェット燃料生産技術開発事業/実証を通じたサプライチェーンモデルの構築」の一環として行われます。国産SAFを使用したフライトは沖縄県内路線では初めてのことであり、今後の沖縄県における循環型エネルギーの地産地消および脱炭素社会への貢献が期待されています。
J-オイルミルズは、沖縄県で採取したテリハボクおよびポンガミアの種子を用いて、SAF化の工程を経てニートSAFの生成に成功しました。ニートSAFは、バイオマス原料などをもとに製造された純度100％のジェット燃料です。生成されたニートSAFは、国際品質規格である「ASTM D7566 Annex A2」への適合を確認しています。
■テリハボクの種子
■ポンガミアの種子
太陽石油は、ニートSAFと従来のジェット燃料との混合を行い、JTAが国産SAFを使用したフライトを実施します。JTAにとっても、沖縄地区JALグループでは初めてのSAFフライトとなります。
■生成したニートSAF
本プロジェクトは、今回のフライトを通じて、地域資源を活用した脱炭素社会の実現に貢献することを目指しています。今後は沖縄県での試験栽培など原料の栽培拡大や使用拡大といった地産地消のSAF普及に取り組み、航空業界を支える新技術とビジネスモデルの創出を図る方針です。
日本では、2030年にジェット燃料使用量の10％に相当する172万kL相当をSAFに代替する目標が掲げられています。NEDOは、J-オイルミルズのSAF研究への助成事業によるSAF製造技術の確立に向けた支援を通じて、研究開発の成果としてSAFの社会実装の促進に貢献していくとしています。
