BEMSとは?【#簡単SDGs用語集】

BEMSとは?ビルエネルギーマネジメントシステムの略称

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BEMSとは?ビルエネルギーマネジメントシステムの略称!

BEMSとはBuilding and Energy Management Systemの略称で、日本語では「ベムス」と読まれます。

名前の通り建物のエネルギーを管理するために、ITやAIなどのテクノロジーを用いて建物内のエネルギー効率を最適化したり、CO2排出量を見える化するシステムです。

BEMSの類義語にHEMSとFEMSという言葉が存在し、BEMSはBuilding=建物(オフィスビル・商業施設)、HEMSはHome=住宅、FEMSはFactory=工場を対象にしています。

BEMSの仕組みとできること

BEMSは、建物の電力、水道、空調、照明、排気などの各種設備を監視・制御し、そのデータを収集・分析することで、エネルギー消費量を削減するための最適な運用を実現します。

(出典:民生部門のエネルギー消費動向と温暖化対策

オフィスビルには空調のほか、エレベーターや照明、コンセントなど、エネルギーを使用する設備が多く存在します。BEMSでは、人探知センサーや温度・湿度センサーによって収集されたデータをもとに、監視装置がデータを分析し、機器制御装置が各種設備に対して命令を送ることで、自動的に電力使用の最適化を図ります。

つまり、人のいないところの電気を消す、空調を抑える、といったことを自動的にやってくれる装置だと考えるとわかりやすいかもしれません。

BEMS導入によるメリットは?

商用施設にBEMSを導入することで、以下のメリットが考えられます。

省エネルギー効果の実現

BEMSは、建物の設備を適切に制御することで、無駄なエネルギー消費を抑制し、省エネルギーを実現することができます。これにより、エネルギー費用の削減やCO2排出量の削減など、環境負荷の低減につながります。

コスト削減効果の実現

省エネルギー効果の実現により、電力やガス、水道などのエネルギー費用が削減され、コスト削減につながります。

設備の適切な管理

BEMSは、建物の設備の状態を監視し、適切に制御することで、設備の劣化や故障を防止することができます。また、故障や異常が発生した場合には、早期に対応することができます。

建物の快適性の向上

BEMSは、空調や照明などの設備を適切に制御することで、建物内の温度や湿度、照度などを調整し、快適な環境を維持することができます。

運用管理の効率化

BEMSは、設備の遠隔監視や自動制御により、運用管理の効率化を実現することができます。また、エネルギー消費量や設備の稼働状況などのデータを収集し、分析することで、より適切な運用管理が可能になります。

BEMS導入事例

BEMS導入によりどのような効果があるのでしょうか?

内閣府の資料によると、霞が関ビルディングで1.6%、電通築地第3ビル他4棟で25.2%、那覇空港国内線ターミナルビルで6.4%の省エネが確認されているそうです。

ほかにも脳神経リハビリ北大路病院ではBEMS導入により年間の電気代が170万円削減され、初期投資費用は1年以内に回収できたと発表しています。

BEMSの普及率とその背景

少々古いデータとなりますが、2019年時点のBEMS普及率は17.6%で、2030年には47%にまで上ると予測されています。

(出典:2019年度における 地球温暖化対策計画の進捗状況

この背景には、世界の気候変動への関心の高まりやエネルギー使用量の増加が考えられます。

(出典:Our World in data

上のグラフは、世界の電力使用量を表したものです。1965年以降急速に上昇し続けていることが一目でわかります。

《The Green Economy編集部》

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