UP Catalyst、CO2からのグラファイト生産拡大に向けて約6億円調達

エストニアのスタートアップ、UP CatalystはCO2排出からのグラファイト生産拡大に向けて400万ユーロの調達を完了したと発表しました。

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UP Catalyst、CO2からのグラファイト生産拡大に向けて約6億円調達

エストニアのスタートアップ、UP CatalystはCO2排出からのグラファイト生産拡大に向けて400万ユーロの調達を完了したと発表しました。

同社はCO2排出からグラファイトの生産を拡大する計画で、これにより中国のグラファイト輸出制限の影響を緩和し、欧州の供給安定性を確保します。

UP Catalystは、環境負荷の低いグラファイト生産技術のパイオニアといわれており、今回の資金調達を通じて、その技術を更に進化させる方針です。中国からのグラファイト輸入に依存していた欧州にとって、欧州域内での生産を促進するものであり、UP Catalystはこれにより世界最大のグリーングラファイトプロバイダーとなる見通しです。

ベルリン拠点の気候技術VCファンドExtantiaを中心としたラウンドには、エストニアの国営ファンドSmartCapや既存の投資家であるSunly、Little Green Fund、Scottish Baltic Invest、UniTartu Venturesも参加しました。UP Catalystは、この資金を活用して年間100トンのCO2を処理し、27トンのグラファイトを生産できる新しい産業用パイロットリアクター(炉)を建設し、生産能力を10倍に引き上げる計画です。

世界的にはグラファイトの需要が供給を上回る見通しで、2030年までに年間70万トンの赤字が予測されています。UP Catalystの技術は、欧州のバッテリー市場において変革をもたらし、地球温暖化ガスの排出を大幅に削減する一助となるとされています。

新旧の投資家の支援を受け、UP Catalystは技術の拡大を加速させ、欧州における炭素材料およびグラファイトの持続可能で現地調達の未来に向けて更なる進展を遂げる方針です。

《The Green Economy編集部》

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