Amazon、アジア太平洋地域の環境保全に1,500万ドル投資へ

Amazonがアジア太平洋地域において、自然に根ざした解決策1に1,500万米ドルを投資することを発表しました。

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Amazon、アジア太平洋地域の環境保全に1,500万ドル投資へ

Amazon、地球環境の保護への投資

アマゾンは2023年9月4日、アジア太平洋地域における「自然に根ざした解決策へ」の1,500万ドルの投資を発表しました。

「自然に根ざした解決策」とは、森林、湿地、泥炭地、草原などの地域における炭素貯蔵量を増やすために行われる、保全、回復および土地管理の改善活動です。自然に根ざした解決策により、野生生物の生息地を保全し、生物多様性を守り、水質を改善し、そして洪水リスクを軽減することで、自然界の保護にも貢献します。

この資金はAmazonが2019年に設立した1億ドルのRight Now Climate Fund*(ライトナウ・クライメート・ファンド)から割り当てられます。

このアジア太平洋地域への投資は、欧州において実施されている自然に根ざした解決策に関する9件のプロジェクトへの投資に続くものです。日本におけるプロジェクトも投資の対象となり、地域社会や人々の暮らしへのポジティブな影響、そして環境への利益の大きさや具体的な影響に基づいて選定されます。

インドの自然保護活動を支援

Amazonはまず、アジア太平洋地域に割り当てられた1,500万ドルのうち合計300万ドルを、インドのプロジェクトへ投資。最初のプロジェクトとしてCentre for Wildlife Studies(CWS)と協力し、西ガーツ山脈のコミュニティや自然保護活動を支援します。

インドへの300万ドルのうち、100万ドルの基金を、CWSの「Wild Carbon」プログラム設立支援に投資します。CWSによるWild Carbonプログラムは1万人の農業従事者を支援し、合計100万本の果樹や材木、薬木の植樹と維持管理を行うものです。

欧州では森林再生や都市緑化などに投資

Amazonは欧州においても、Right Now Climate Fundによる2000万ユーロの「自然に根ざした解決策」の支援を行っています。

欧州でのプロジェクトには、フランスの自然・野生生物再生基金、イタリアの森林再生プログラム、ドイツの都市緑化プログラム、英国の再野生化および植樹プロジェクト、さらにオランダ沖の洋上風力タービンの間に位置する世界で初めての商業規模の海藻養殖場などが含まれます。

このほか、米国では、アパラチア山脈における森林の保全・再生や、ブラジルのアマゾン熱帯雨林の農家を支援しながら、気候変動への対策として森林の再生に取り組んでいます。

Amazonはパリ協定より10年早いネットゼロを目指す

Right Now Climate Fundによるアジア太平洋地域への投資は、Amazonが同地域で行う、サステナビリティおよび脱炭素化に向けた取り組みを補完するものです。Amazonは2019年、The Climate Pledge(クライメート・プレッジ)を立ち上げ、パリ協定よりも10年早い、2040年までにネット・ゼロ・カーボンの達成を約束しています。

現在までに、38カ国、55の業界から400を超える企業がThe Climate Pledgeに署名しており、自然環境の保護や脱炭素化技術の実現に向けて、協業を進めています。日本からも、石坂産業、NEC、花王、TBMの4社がThe Climate Pledgeに署名しています。

《ニシダ》

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