【サステナビリティレポート分析】KDDIの気候変動対策は?事例・KPI・成果を紹介

第2回の今回は、KDDIグループのサステナビリティレポート2021からSDGs関連アクション、とくに気候変動関連をピックアップし紹介していきます。

企業動向 ガバナンス
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本シリーズではさまざまな企業のCSR報告書・統合報告書を読み解きながら、社会的に評価されている企業のSDGs、気候変動への取り組み事例を紹介します。

第2回の今回は、KDDIグループのサステナビリティレポート2021からSDGs関連アクション、とくに気候変動関連をピックアップし紹介していきます。

KDDIのサステナビリティ戦略

KDDIでは事業戦略・財務目標としてKDDI Sustainable Actionが策定されています。

上の表にあるようにSustainable Actionは大きく3分野・8項目から構成されており、その中の「災害対策・通信基盤の強靭化」「地球環境の保全」がSDGsのゴール13「気候変動に具体的な対策を」と連動していることが分かります。

ただし、SDGsの17のゴールはすべてが複雑に絡み合っていて、たとえば貧困の原因が環境破壊であったり、その逆であったりと、単純に切り離して考えることはできません。

そしてこのSustainable Actionの下に6つのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)が存在します。

KDDIグループの環境対策KPIと実績

KDDI Sustainablity reportを参考に編集部にて作成

上記の表は、サステナビリティレポートからKDDIの環境分野におけるKPIと2020年度実績をまとめたものです。

KPIや実績は、先日解説を公開したNTTのものとおおむね同様の結果となりました。

ただしNTTが2030年のCO2排出量実質ゼロを目指している一方で、KDDIは2050年までの実質ゼロを目標としています。この点においては、NTTが一歩リードしているといえるのではないでしょうか。

具体的な取り組み事例

もはや当たり前の取り組みとなりつつありますが、KDDIグループでもカーボンニュートラルの実現に向けていくつかの取り組みを行っています。

カーボンニュートラルの実現へ向けた目標

  • データセンター:2026年度

  • KDDIグループ単体:2030年度

  • グループ全体:2050年度

この中で気になるのが、データセンターにおけるカーボンニュートラルの実現です。

データセンターからの温室効果ガス排出は、IoT、コネクテッドディバイスなど、名前は何であれインターネットへの接続とデータ容量が増えるにつれて問題化しており、ある調査によると2040年までには世界の温室効果ガス排出量の14%をデータセンターが占めるとまで言われています。

KDDIではデータセンターの再生可能エネルギー由来電力への切り替えを行うことで、2026年度までのカーボンニュートラルを目指しています。

そのほかに、オフィスや基地局などにも再エネ由来電力を導入しているといいます。

基地局の省エネ化

KDDIの基地局に関連する電気使用量は、KDDI全体の約6割を占めており、KDDIが通信事業者として脱炭素社会の実現に貢献するためには基地局の省電力化が肝心です。

KDDIではノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社が提供する基地局AI制御技術と基地局液体冷却技術を導入し、基地局の省エネ化を図っています。

実証実験からAI制御技術は平均で最大20%、場合によっては最大50%の電力使用量を削減できることが分かっているそうです。また冷却技術では、推定となりますが70%以上の省エネが見込まれています。

第三者からの評価

KDDIは複数の社会的責任投資(SRI)指標に選定されています。

たとえば英・ロンドン証券取引所グループのFTSE Russellにより開発された「FTSE4Good Index Serise」や、米国のMSCI Inc.が開発した「MSCI ESG Leaders Indexes」です。

東京証券取引所とS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが共同開発した環境指数「S&P/JPX カーボン・エフィシェント指数」の構成銘柄にも選定されています。

そのほか国際的なイニシアチブ「国連グローバルコンパクト」へ加入。また科学的根拠に基づいた目標設定を推進する国際イニシアチブ「SBTi (Science Based Targets initiative)」よりSBT認証を取得しています。

日本国内における評価では、日本経済新聞社が実施する日経SDGs経営調査において「SDGs戦略・経済価値」「社会価値」で高い評価を受け、3年連続で4.5星に認定されています。

まとめ

KDDIグループのサステナビリティ、特に環境関連の取り組みや評価について下の表にまとめました。

こう見てみると、KDDIは多くの社会的責任投資指数(SRI)に選定されていることが分かります。

ESG関連銘柄への資金流入が増加しているというニュースもみかけますし、今後の発展にも期待したいです。

《The Green Economy編集部》