TOPPAN株式会社は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、使用済み紙おむつの回収・リサイクルに関する実証実験を行うことを発表しました。本取り組みは、高齢化社会に伴いさらなる増加が予想される紙おむつの廃棄問題に対応するものです。
実験では、万博会場内の休憩所やトイレなど11カ所に回収ボックスを設置し、使用済み紙おむつを回収します。回収された紙おむつは、リサイクル工場でパルプとプラスチックに分離され、玩具やシェルフ、回収ボックスなどにアップサイクルされます。
今回の取り組みの背景には、紙おむつの排出量増加があります。環境省の推計によると、一般廃棄物に占める紙おむつの割合は2020年度の5.2~5.4%から、2030年には6.6~7.1%程度に増加すると予想されています。現在、ほとんどの紙おむつが焼却処理されており、リサイクルが喫緊の課題となっています。
TOPPANは、この実証実験を通じて紙おむつのリサイクルスキームを周知し、資源リサイクルの重要性を社会に発信することを目指しています。また、リサイクル品を万博会場内のパビリオンに採用することで、来場者に具体的な取り組みを示す予定です。
具体的には、住友グループが出展する住友館パビリオンの警備室の床や、大阪ヘルスケアパビリオンのみんなのトイレ内にある装飾などに採用されています。
実験期間は2025年4月13日から10月13日までの6ヶ月間で、会場内の11カ所に回収ボックスが設置されます。回収ボックスには、物を投入すると付属モニターに映像が流れるインタラクティブな「PoyPort®」が採用される予定です。

また、紙おむつリサイクルの認知向上を図るため、保育園や病院といった紙おむつを多く排出する施設に対してアップサイクル品である遊具・シェルフ・回収ボックスを寄付することが決まっています。

TOPPANは、自治体やリサイクル会社、おむつ関連事業者との連携を強化し、使用済み紙おむつ回収スキームとリサイクル製品の高度化を図るとともに、リサイクル設備の導入・運営を支援していく方針です。同社は、2020年に策定したSDGs目標の達成に向けた取り組みを加速させており、今回の取り組みにより、「社会的価値創造企業」の実現に向けてさらに前進することになります。