大成建設株式会社と、株式会社チャレナジー、三井不動産株式会社の3社は、2025年4月より横浜三井ビルディング屋上において、超高層ビルでは国内初となる「サボニウス式風車」による風力発電の実証実験を開始すると発表しました。
サボニウス式風車は、市街地に適した新たな創エネ技術として注目されています。この風車は、装置の設置に必要な面積が3㎡程度と小さく、従来の水平軸型プロペラ式風車と比べて限られたスペースでも利用可能です。総重量が290kgと軽量化されており、組立に重機を必要としません。
また、全方位の風から24時間連続で発電でき、夜間や悪天候時でも適切に制御することで継続稼働できます。風切り音やモーター振動が発生しにくく低騒音かつ低振動で、バードストライクを回避可能な構造です。
今回の実証実験では、風量や発電量などのデータを取得し、技術のさらなる発展に活かすとともに、設置時の課題や要件を明確化することを目的としています。3社は、この新たな創エネルギー技術の開発を通じて、市街地での建物のZEB化(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)や災害時のBCP(事業継続計画)対応などに貢献していく意向です。
本実証実験は、再生可能エネルギーの活用拡大と、都市部におけるエネルギー問題の解決に向けた重要な一歩となる可能性を秘めています。今後の実験結果や、技術の進展に注目が集まりそうです。