株式会社大林組は、フランスのUpcyclea社が開発した資源循環データプラットフォーム「myUpcyclea(マイアップサイクリア)」を導入し、建設資材の環境性能や解体資材のリユース可能性を可視化する取り組みを開始しました。
myUpcycleaは、建設資材の環境性能情報に基づき、CO2排出量や水使用量、資材の循環性、安全性などを比較し、リユースによる環境負荷削減効果を可視化するプラットフォームです。AI機能を搭載し、解体現場で生じるリユース可能な建設資材の供給情報と新築工事現場の需要情報をマッチングさせる機能も有しています。
大林組は、2024年9月から2025年3月にかけて、自社の解体現場と新築現場(技術研究所新実験棟)でmyUpcycleaを活用した各種機能実証を行います。建設資材のデータ入力、環境データの数値化や活用、資材の環境情報データベース構築、外部システムとの連携などを検証し、課題抽出と解決策検討を進めます。2025年4月以降は、適用現場数を増やし、利用を推進していく予定です。
myUpcycleaの導入により、大林組は低炭素・サステナブルな建物の供給だけでなく、建物のライフサイクル全体をカバーする建設資材の循環利用に取り組みます。また、顧客のポートフォリオの脱炭素化やESG報告に向けたデータ整理にも貢献していきます。さらに、本取り組みで得られた知見をもとに、サプライチェーンをはじめとする企業や団体と連携しながら建設資材のリユースを活性化していく方針です。
建設業界におけるサーキュラーエコノミーへの移行が求められる中、大林組の取り組みは、建設資材の循環利用を促進し、環境負荷削減に貢献する事例として注目されます。テクノロジーを活用して効率的に建設資材の循環利用を促進する動きは、同業他社にも影響を与えることになりそうです。