COP28での抗議活動 「平和的」である限り許可される見通し

2023年11月30日から12月12日にかけて、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催される気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)ですが、COP28での抗議活動について注目が集まっています。

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COP28での抗議活動 「平和的」である限り許可される見通し

2023年11月30日から12月12日にかけて、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催される気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)ですが、COP28での抗議活動について注目が集まっています。

COPでは例年大規模なデモが

COPの会場では例年、気候活動家や団体などによる抗議活動が行われます。COP27が開催されたエジプトは、事実上デモや集会が禁止されていることから「気候変動について意見を述べる自由」についての抗議活動が目立ちました。

さらにCOP26では開催地のイギリス・グラスゴーを中心に英国で約100件の気候変動デモが、さらにケニア、トルコ、フランス、ブラジル、オーストラリア、カナダを含むさらに100か国でもイベントが開催され、逮捕者も出ています。

COP28での抗議活動 公式には「OK」

このように、国際機関やNGO、政府などによる会議や発表などといった公式のイベントと並んで、大規模かつ注目度の高い非公式の抗議活動ですが、COP28では活動が危ぶまれています。

通常、UAEで公の集会を行うには政府の承認が必要です。

これに対して、8月1日に国連とUAEが発表した声明で「(COP28では)UNFCCC*ガイドラインに則り、また国際的な人権規範と原則を遵守し気候変動活動家が平和的に集まり、声を上げるためのスペースが用意される。」と言及。

*UNFCCC:国連気候変動枠組み条約

しかしながら、「UAE当局が何を許可するのか、依然として不明である。」「国連会場の外では厳しい国内法が適用されることになれば、活動家の安全に対する懸念が高まる。」懸念の声も上がっています。

さらにFinancial Timesは12日、英国政府に対してCOP28に参加するイギリス人が逮捕されないようUAEと交渉するように圧力が高まっていると報じました。

懸念の背景にはエジプトで開催されたCOP27が

昨年COP27が開催されたエジプトも、UAEと同様に集会やデモが事実上禁止されており、議論の的でした。

エジプトにおける人権問題は以前から取りざたされていましたが、COP27では抗議活動が許可される「グリーンゾーン」が会議場から離れた場所に設置される、複雑な登録手順、タクシーへの監視カメラ設置や検閲の強化など、活動家の自由が制限されていました。

UAEはCOP27開催を前に2度目となる温室効果ガス削減目標の引き上げを行うなど気候変動対策に野心的な姿勢を見せていますが、集会やデモなどが制限されているなど「表現の自由」が環境活動家や市民団体の懸念材料となっているようです。

《The Green Economy編集部》

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