三菱商事、サステナブルペットボトルのサプライチェーン構築

三菱商事株式会社は、サントリーホールディングス株式会社、およびENEOA株式会社と、使用済み食用油などバイオマス資源由来の、サステナブルペットボトルのサプライチェーン構築について合意したと発表しました。

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三菱商事、サステナブルペットボトルのサプライチェーン構築

三菱商事株式会社は、サントリーホールディングス株式会社、およびENEOA株式会社と、使用済み食用油などバイオマス資源由来※1の、サステナブルペットボトルのサプライチェーン構築について合意したと発表しました。

サプライチェーンは下図の通りです。

①NESTEが使用済み食用油などのバイオマス資源からバイオナフサを製造
②ENEOSが水島製油所で、バイオナフサから製造した原料より、バイオパラキシレン(PX)※2を製造
(バイオPXの製造に当たってはマスバランス方式※3を活用)
③バイオPXを使用したバイオ高純度テレフタル酸(PTA)※4、バイオペットボトル用樹脂(PET樹脂)を製造
④サントリーがバイオPET樹脂を活用しサステナブルペットボトルとして自社製品に使用
※三菱商事はサプライチェーン全体のマネジメントを担当

バイオナフサ由来のバイオPXを使用したサステナブルペットボトルの製造は、商業規模では世界初※5となる取り組みです。今回のサプライチェーン構築の要となるバイオPXは、2023年中に、ペットボトル約3,500万本に相当する数量を製造予定です。最終的に、サントリーのサステナブルペットボトル原料として2024年から活用されることとなります。

※1 生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、エネルギーや物質に再生が可能な、動植物から生まれた有機性の資源(石油や石炭などの化石資源は除く)のこと。具体的には使用済みの食用油など。
※2 パラキシレン(PX)は、ポリエステル繊維やペットボトル用樹脂の原料となる高純度テレフタル酸(PTA)の原料として用いられ、従来は石油由来のナフサから製造される。
※3 原料から製品への流通・加工工程において、バイオマス原料等の特定の特性を持った原料がそうでない原料と混合された場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて製品の一部に対してその特性を割り当てる手法。サプライチェーンに登場する各社が、それぞれのInとOutのバランスを管理することで、原料の持つ特性の価値を最終製品まで繋ぐ仕組み。
※4 高純度テレフタル酸(PTA)は、ペットボトル用樹脂の原料の1つであり、PTAはパラキシレンを酸化させることで製造される。ペットボトル用樹脂は、PTAとエチレングリコール(MEG)を反応させることで製造される。

《The Green Economy編集部》