Abu Dhabi Future Energy Company PJSC - Masdar、三菱ケミカルグループ株式会社および株式会社 INPEXは、世界初となる商業規模のCO2およびグリーン水素由来のポリプロピレン製造を含むカーボンリサイクルケミカル製造事業の実現に向けた共同調査に関する契約を締結したことを発表しました。
本件は、2023年7月17日にアブダビで開催された「日・UAEビジネスフォーラム」において、岸田首相とアラブ首長国連邦のハメド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン アブダビ執行評議会委員の同席の下、発表されたものです。
共同調査は、e-メタノールを原料とし、プロピレンを経由してポリプロピレンを製造するカーボンリサイクルケミカル製造事業の商業規模での実現可能性を検証するものです。原料である再生可能エネルギー由来の電力を用いた水素の製造からCO2の調達、e-メタノール、プロピレン、ポリプロピレンの製造までのプロセスを検証し、経済性やCO2削減効果を含めた事業化検討に取り組みます。
e-メタノールとは、CO2とグリーン水素（再生可能エネルギー由来の電力を用いて生成した水素）を原料とする合成メタノール。eの語源はElectricとされており、再生可能エネルギーで発電した電気を意味する。
メタノールは基礎化学品として幅広い用途があり、特にクリーンな船舶燃料としての需要も高まっています。また、ポリプロピレンはプラスチックの一種であり、様々な製品に利用されています。本事業で製造される製品は、従来の化石資源由来の製品に比べて、ライフサイクルベースでのCO2排出量を大幅に削減できます。
Masdarはアラブ首長国連邦におけるクリーンエネルギー開発の旗振り役として、世界各地で再生可能エネルギー事業を展開している企業です。三菱ケミカルグループは売上規模が日本最大の総合化学メーカーであり、カーボンニュートラルの達成を目指して取り組んでいます。INPEXもまた、水素事業やカーボンリサイクルの推進を掲げています。
なお、本事業の発表が行われたのは、2023年7月17日にアラブ首長国連邦アブダビ首長国で開催された「日・UAEビジネスフォーラム」内です。日本の岸田内閣総理大臣と、アラブ首長国連邦のハメド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンアブダビ執行評議会委員が同席の下でした。
両国の企業が共同でカーボンリサイクルケミカル製造事業の実現可能性の検証を進めることにより、再生可能エネルギーの活用やCO2削減への取り組みが、世界規模で加速していくことが期待されます。
