2023年の株主総会シーズン、気候変動対策を求める投資家の圧力、一段と強力に

環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワークは、2023年の株主総会シーズンにおいて、日本企業に対して提出された「ネットゼロの達成に向けた行動と透明性の向上を求める株主提案の数」が、過去最多となる見込みであることを発表しました。

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環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワークは、2023年の株主総会シーズンにおいて、日本企業に提出された「ネットゼロの達成に向けた行動と透明性の向上を求める株主提案の数」が、過去最多となる見込みであることを発表しました。

2023年6月下旬に実施された日本企業各社の株主総会では、気候変動に関する株主提案が決議されました。株主提案を提出したのは、環境NGOの気候ネットワーク、マーケット・フォース、FoE Japan、レインフォレスト・アクション・ネットワークに所属する個人です。各企業に対して、短期を含めた排出削減目標の設定やさらなる引き上げ、気候関連リスクの管理の改善などを要求しました。

気候変動に関するリスクへの対処について課題を抱える企業として、株主提案を受けた企業は、三菱商事、日本最大の発電事業者であるJERAの株を共同所有する東京電力ホールディングスと中部電力、メガバンク3行(三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ)です。

三菱商事に対して、マーケット・フォース エネルギーの担当者が提出した株主提案の1つには、約20%の投資家が賛成。気候変動に関する情報開示について、まだ不十分だと判断する投資家が多いことが明らかになりました。その他の企業に対する提案の内容と結果は、以下の通りです。

株主提案の議決結果は、各企業に対して厳しい目が向けられていることを意味します。2021年以降、環境NGOに所属する株主の提案を受けた後に企業が具体的な行動を起こした例は多く、株主と企業の対話が取り組みの改善に重要な役割を果たしてきました。レインフォレスト・アクション・ネットワークは、今回提案を受けた企業の状況が、さらに改善していくことを期待しています。

《編集部》