環境NGO 90団体が、日本政府に対してバイオマス混焼・専焼に関する共同声明を発表

国際環境NGO FoE Japanなど気候変動や森林問題に取り組む国内外の環境NGO 90団体は、バイオマス混焼・専焼に対する支援を行わないことなどを要請する共同声明を、先進7カ国首脳会議(G7サミット)のホスト国を務める日本政府に対して発表しました。

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環境NGO 90団体が、日本政府に対してバイオマス混焼・専焼に関する共同声明を発表

国際環境NGO FoE Japanなど気候変動や森林問題に取り組む国内外の環境NGO 90団体は、バイオマス混焼・専焼に対する支援を行わないことなどを要請する共同声明を、先進7カ国首脳会議(G7サミット)のホスト国を務める日本政府に対して発表しました。

日本政府は、炭素排出係数が石炭より大きい木材を「カーボンニュートラル」として扱っています。2023年4月時点で、バイオマス燃焼時のCO2排出量は計上されておらず、国内では急速に石炭火力発電などのバイオマス混焼・専焼転換が進められています。

再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)でも、政府は石炭火力発電のバイオマス混焼設備を支援の対象にしてきました。グリーン・トランスフォーメーション(GX)実現の政策として、バイオマス混焼への燃料転換を積極的に推進しています。

バイオマス発電に用いる燃料の大半は、東南アジアや北米から輸入したものです。燃料を生産する目的で北米の天然林が皆伐された事例もあり、森林減少・劣化による生態系への大きな影響が懸念されています。

政府が推奨するバイオマスの混焼・専焼は、気候変動の加速や森林生態系の破壊を引き起こすグリーンウォッシュと考えられるため、90団体は4月11日に声明を発表しました。

また、国際環境NGO FoE Japan、気候ネットワークなどを含む5団体は、G7 札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合に向けてメッセージを発信。日本政府に対し、バイオマス混焼を隠れ蓑に脱石炭を遅らせないよう求めました。

NGO共同声明(一部)

・バイオマス混焼の有無に関わらず、一刻も早く脱石炭を達成すること
・バイオマス混焼・専焼に対する支援を行わないこと
・廃棄物以外の燃料を使うバイオマス発電を再生可能エネルギーの対象から外し、補助金等による支援を行わないこと
・バイオマスの燃焼段階のCO2排出を発電所ごとに計上するよう義務づけること
・バイオマス燃焼のCO2排出を消費国がカウントし、自国の炭素勘定に含めること

《s.m》