ざっくり解説
EV100は、EV(電気自動車)を100%にすることを目指す企業による国際イニシアチブ。
国際NGO「The Climate Group」により発足されたもので、ほかにも省エネを目指すEP100や再エネ活用をすすめるRE100があります。
EV100とは?電気自動車100%を目指す国際的な枠組み

EV100とは、温室効果ガス排出量削減を目指す国際NGO「The Climate Group」により2017年に発足された国際イニシアチブです。国際イニシアチブというとピンときませんが、国際的な目標とその目標に賛同する企業の集まりをイメージするとわかりやすいかもしれません。
類似したものにRE100やEP100がありますが、EV100では事業活動での電気自動車100%を目指しています。
具体的には以下の4つのうち1つ以上を2030年までの目標として設定、公開することが求められています。
■直接管理車両のEV化
■サービス契約(タクシー、レンタルなど)においてEV利用を要求
■従業員のEV利用支援(全施設への充電器設置)
■顧客のEV利用支援(全施設への充電器設置)
EV100参加企業と参加方法
2023年3月時点で世界127の企業がEV100への参加を表明しています。そのうち7社が日本企業です。
EV100参加日本企業
・イオンモール株式会社
・アスクル株式会社
・日本電信電話株式会社
・東京電力ホールディングス株式会社
・株式会社 髙島屋
・株式会社 関電工
・ニチコン株式会社
EV100に参加するには、日本では日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)が窓口となり、質問などを受け付けています。
EV100参加企業の取り組み

上の表は、2023年時点でEV100へ参加表明している企業の取り組みを簡単にまとめたものです。
たとえばアスクルは、2021年7月時点で21台のEV配送車両が導入されています。また、日本電信電話(NTTグループ)では保有車両の約1.1万台について、2025年までに「50%EV化」、2030年までに「100%EV化」を目指しています。
東京電力HDもNTTグループと同様、2030年までに業務車両約4,400台(緊急用や工事用の特殊車両等を除く)の100%EV化を目指し、それに加えて自社用の充電設備の完備を目標としています。
EV100に参加するメリット
EV100に限らず、同様の国際イニシアチブに参加するメリットは大きく2つ考えられます。
1つは参加を表明することによる一種のブランディング。昨今拡大するESG投資では、企業の財務的側面だけではなく、非財務的な側面、例えば環境配慮などが大きく考慮に入れられます。その際に、EP100などの国際イニシアチブは有利な判断材料となりうるでしょう。
そして、もう1つが参加企業のみに公開されている事例やウェビナー。EV100も、参加企業向けにウェビナーの開催を行っています。何をしたらよいかわからず気候変動対策に足踏みをしている企業の話をよく耳にしますが、初めの一歩として一つのイニシアチブに参加することで指針となるかもしれません。