CSRとは【簡単SDGs用語集】

ざっくり解説

データ・リサーチ 単語集
CSRとは【簡単SDGs用語集】

ざっくり解説

CSR=corporate social responsibility(企業の社会的責任)

企業がステークホルダー(社会)に対して持つ責任のことであり、営利企業であっても利益の追求だけでなく地域環境や顧客、取引先に対する影響を考えましょう、という考え方。

CSRとは?

CSRとは、2000年ごろから企業のありかたとして頻繁に取り上げられるようになったキーワードの一つです。

大まかな考え方としては、利益を生み出す顧客のみに注目するのではなく、より幅広いステークホルダー(例えば地域や地球環境、サプライチェーン、従業員など)に対する企業の影響力と責任を問うています。そういった点ではSDGsやESGと近い概念とも言えます。

一方で、CSRは文脈によって幅広いと捉えかたができる単語であり、明確な定義はありません。具体的な指針とできるものはISO26000ですが、あくまで企業が自主的に活用するためのガイドラインという立ち位置にとどまっています。ISO26000では説明責任、透明性、倫理的な行動、ステークホルダーの利害の尊重、法の支配の尊重、人権の尊重の7つの原則があり、37の課題が列挙されています。

SDGsとCSRの違いは?

SDGsとCSRは、どちらも企業が社会的責任を果たすことを目的としていますが、その視点や範囲に違いがあります。

SDGsは、国連加盟国全体が共通の目標に向けて取り組むことを目的としており、企業もその目標達成に貢献することを期待されています。SDGsは、貧困削減や地球温暖化防止、ジェンダー平等など、より広範囲の社会課題に対して取り組むことを目的としています。一方のCSRでは社会課題の解決に貢献するという視点は同じですが、具体的に対応すべき課題が提示されていない点などが異なります。

くわえて、CSRは一般的に「事業の外で行う慈善活動」という印象を持たれています。たとえば植樹や清掃、音楽会の開催などです。一方SDGsは「事業の中で行う課題解決・社会貢献」という印象があります。例えば、独自の技術を活用した新素材の開発、再エネ導入による温室効果ガス排出量の削減などです。

ただしいくつかの違いはあるものの、CSRもSDGsも、企業に対して利益追求以外の社会貢献を求める、という点では共通しています。

まとめ

CSRは企業がステークホルダー(社会)に対して持つ責任のことであり、営利企業であっても利益の追求だけでなく地域環境や顧客、取引先に対する影響を考えましょう、という考え方です。

類似した概念にSDGsがあげられますが、視点や範囲が微妙に異なります。しかし、根底にある企業に対して利益追求以外の社会貢献を求める、という点では共通しており、どちらも必要な視点といえるでしょう。

《The Green Economy編集部》