日揮HDとJANUS、マレーシアにおけるパームオイル産業のサステナブル開発を目指す

日揮HDとJANUSは、マレーシアの天然ガス流通・販売会社であるGas Malaysia Bhdと「パームオイル産業のサステナブル開発に向けた共同スタディ」を行うための覚書を締結しました。

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日揮HDとJANUS、マレーシアにおけるパームオイル産業のサステナブル開発を目指す

日揮HDとJANUSは、マレーシアの天然ガス流通・販売会社であるGas Malaysia Bhdと「パームオイル産業のサステナブル開発に向けた共同スタディ」を行うための覚書を締結しました。マレーシアは世界第2位のパームオイル生産国であり、パームオイルの生産にはPOMEおよびEFBなどの廃棄物が発生し、環境問題となっています。本事業では、これらの廃棄物を有効活用することで、バイオメタン燃料やバイオ原油、バイオ化成品の製造などを通じて、パームオイル産業のサステナビリティの向上とCO2排出量の削減に貢献することを目指します。また、本事業は、日本政府が2022年に発表した「アジアゼロエミッション共同体構想(AZEC)」と連携するものです。

※POME:Palm Oil Mill Effluent
CO2の25倍の温室効果を持つとされるメタンガスを大量発生させる廃液

本事業により、パームオイル産業から排出される未利用資源の有効活用によって、環境に与える負荷を削減し、サステナブルな産業発展を実現することが目指されています。具体的には、POMEやEFBなどの原料をバイオメタンやペレット燃料に変換することで、化石燃料によるエネルギー消費を削減することが期待されます。また、廃棄物からバイオ原油やバイオ化成品を生産することで、従来の石油化学製品に比べてCO2排出量が少なく、サステナブルな化学品製造に貢献することができます。

さらに、本事業は、マレーシア政府が進める「Bioeconomy Transformation Programme(BTP)」や「Low Carbon Cities Framework(LCCF)」などの政策目標にも貢献することが期待されます。BTPは、マレーシアにおけるバイオ経済の発展を目的としており、バイオエネルギー、バイオ医薬品、バイオマテリアルなどの分野で、持続可能な社会の実現を目指しています。LCCFは、都市の低炭素化に向けた枠組みであり、都市部でのエネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの活用など、地球環境に配慮した取り組みを促進することを目的としています。

日揮HDとJANUSは、これまでにも、海外のバイオマス発電プロジェクトの開発や、再生可能エネルギーの普及促進など、環境分野での事業展開を積極的に行ってきました。今後も、本事業をはじめとするサステナブルな事業展開に取り組み、地球環境保全に貢献していくことを目指しています。

《The Green Economy編集部》