一般社団法人カーボンリサイクルファンド(以下、CRF)は、2050年カーボンニュートラル達成に資する研究を支援するため、2025年度の研究助成公募を5月7日から開始しました。CO2を資源として活用する技術開発を促進し、民間資金を活用した研究支援を行います。
CRFの研究助成は、大学や企業、法人などの研究者または研究チームを対象としています。組織は問わず、研究者個人またはチームで応募する形をとります。応募期間は5月7日から6月6日17時まで。最大1000万円の助成金が提供され、約10件程度の採択を予定しています。助成期間は最長で2027年7月31日までです。
研究対象は、CO2または炭素原子を含む材料を資源として利用するカーボンリサイクル技術に関する幅広い分野です。化学品・燃料転換、鉱物化をはじめ、バイオ技術を活用したネガティブエミッション技術など、多様な研究テーマが対象となっています。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との連携プログラムとなっており、過去には研究成果が国家プロジェクトに発展した例もあります。また、ビジネス化に向けた支援も行われ、研究の社会実装を促進しています。カーボンニュートラル実現には国境を越えた取り組みが重要であることから、海外の企業・研究機関と連携した研究も期待されています。
CRFは、ワークショップ形式の教育プログラムとして「カーボンリサイクル大学」を実施するなど人材育成にも力を入れており、若手研究者からの応募も歓迎しています。また、2022年度から実施している応募様式を簡素化した「スタートアップ枠」を、2025年度も設置する予定です。
気候変動対策が世界的な課題となる中、CO2を資源として活用する技術開発は、持続可能な社会の実現に不可欠な要素となっています。本助成プログラムを通じて、革新的なカーボンリサイクル技術の創出が期待されます。