住友林業と東京農業大学、木造学生寮建築へ 2025年完成予定

・東京農業大学と住友林業が協力
・学生寮「青雲寮」は木造3階建て
・脱炭素社会に貢献

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住友林業と東京農業大学、木造学生寮建築へ 2025年完成予定

住友林業と東京農業大学は、国産材を使用した木造3階建ての学生寮の建築を進めています。本施設は、2025年1月末の竣工を目指しており、環境が整い次第学生の入寮が開始される予定です。

建築中の「青雲寮」は、東京農業大学が所有する奥多摩演習林の木材56.5㎥を含む国産材123㎥を使用した、準耐火構造建築です。住友林業が日本単独代理店契約を結ぶソフトウェア「OneClickLCA」を用いて、建設時のCO2排出量を見える化し、CO2排出量の少ない部材を選択することで、炭素固定量を増加させ、脱炭素社会への貢献を図っています。具体的には、348㎥の木材を使用し、約1041本の40年生スギに相当する316.874トンCO2e bioの炭素固定が見込まれています。

この寮には、箱根駅伝に通算70回出場するなどの実績を持つ東京農業大学農友会陸上競技部の学生が入寮する予定です。木の持つ心理的ストレスの緩和効果や調湿・抗菌作用を活かし、学生の心身の健康を支える空間を提供します。同大学の江口理事長は、「青雲寮」の工事開始にあたり、木造建築にこだわった理由として、学生の心身の健康を考慮した競技パフォーマンスの最大化と、木の炭素固定効果による脱炭素社会への貢献を挙げています。

住友林業グループは、森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅・中大規模木造建築の請負や不動産開発、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業をグローバルに展開しており、「Mission TREEING 2030」の長期ビジョンに基づき、森林のCO2吸収量の増加と木造建築の普及を通じて社会全体の脱炭素に貢献していく方針です。今後も非住宅建築分野での木造化・木質化を推進し、木の魅力を最大限に生かした商品・サービスの提供を推進していくとしています。

《編集部》