豊田通商、梱包資材の原料に商業施設由来の廃プラスチック材を採用

・豊田通商が廃プラスチックのリサイクル材料活用に取り組む
・自動車部品物流において低炭素化を推進するため、PCR材の活用が進められる
・国産100%のPCR材「pool resin」が自動車部品の緩衝材に活用される

企業動向 サプライチェーン
豊田通商、梱包資材の原料に商業施設由来の廃プラスチック材を採用
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豊田通商株式会社は、自動車部品向け梱包資材の原料として、レコテック株式会社が提供するPCR(post-consumer recycled resin)材である「pool resin」の利用を開始しました。「pool resin」は、レコテックが提供するサービス「Circularity Design Tool - pool」(以下「pool」)を活用して回収、リサイクルすることによりトレーサビリティを担保した国産100%PCR材です。

近年、欧米を中心にプラスチックの廃棄量削減やリサイクル材料の使用義務化などの具体的な法整備が進められており、日本でも2022年にプラスチック資源循環促進法(プラ新法)が施行されました。2023年7月に欧州委員会が提出した規制案は、新しい自動車の製造に使用するプラスチックの25%をリサイクル材料とするよう義務付けるものでした。そのため、自動車の本体や部品の梱包資材においても、PCR材の活用が課題となっています。

社会課題に対応するため、豊田通商はCL (Circular Logistics) プロジェクトを立ち上げました。リサイクル・バイオマス材料を物流資材として活用する低炭素化を推進しており、特にごみの発生を抑制しながら自社事業にかかわる資源循環の仕組みを構築していくために、PCR材の採用を優先的に進めています。

今回、豊田通商が活用を開始した「pool resin」は、国内の商業施設から回収した廃プラスチックを再生させたPCR材です。アパレル関連で排出されるハンガーカバーや保護袋など、原料の厳選と「pool」での管理によりトレーサビリティを確保、高品質なPCR材となっています。また、精度の高い分別により、洗浄などの高エネルギー負荷プロセスを省略し、低炭素化を実現しました。

■スコープ3カテゴリ1排出量の比較

豊田通商は、2024年から2025年にかけて低炭素素材への切り替えを自動車部品物流全体へ展開、2030年にはCircular Logistics100%の実現を目指しています。

また、「pool resin」のトレーサビリティの信頼性を向上させるために、データ収集の自動化やブロックチェーン技術の導入、第三者トレーサビリティ認証要件への準拠などのシステム改良を進める予定です。今後は、安定供給に向けて、原料の排出元の拡大やリサイクルパートナーとの連携の強化を図ります。

《編集部》