ボルボ・グループ、ウェストポートとJV設立にむけ基本合意に署名 長距離輸送によるCO2削減を目指す

カナダに本拠地を置くWestport Fuel Systemsは19日、ボルボ・トラックスやルノー・トラックスなどを傘下に置くボルボ・グループと、合弁会社設立のための拘束力のない合意文書に調印したと発表しました。

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ボルボ・グループ、ウェストポートとJV設立にむけ基本合意に署名 長距離輸送によるCO2削減を目指す

カナダに本拠地を置くWestport Fuel Systemsは19日、ボルボ・トラックスやルノー・トラックスなどを傘下に置くボルボ・グループと、長距離輸送およびオフロード用途向けのHPDI燃料システム技術の商業化とグローバルな採用を加速するための合同事業(Joint Venture)設立に向けて、非拘束的な意向書に調印しました。Westport Fuel Systemsは輸送車両用の代替燃料供給システムや部品などを提供する企業です。両者は持続可能な輸送ソリューションの創造という点においてビジョンを共有しています。

設立予定の合同事業では、Westport Fuel Systemsが関連する固定資産、知的財産、およびHDPI事業を提供し、ボルボは約2,800万ドル(約39億円)に加え追加で最大4,500万ドル(約63億円)を提供することで、事業の45%の株を取得予定です。

Westport Fuel SystemsのHPDI(High Pressure Direct Injection)燃料システムは、大型トラックや一般道路外での輸送などの脱炭素化が難しいセクターにおける大幅なCO2排出量削減をサポートするソリューションです。ヨーロッパの新たな排ガス規制「ユーロ7」や、アメリカ環境保護庁(EPA)の排ガス規制要件を満たすような、グリーン水素などのクリーンな代替燃料を手ごろな価格で提供しています。発表によると、設立予定の合同事業の主要顧客はボルボとなる予定ですが、それ以外にもトラックメーカーや機器メーカーへ展開しHPDIの商業化を進めていきたいとしています。

ボルボの最高技術責任者Lars Stenqvist氏は「再生可能燃料で動く内燃エンジン、特にHPDIによる脱炭素化は、持続可能なソリューションの重要な一翼を担っています。HPDIは、ボルボのトラックで5年以上にわたって運用されており、LBG(液化バイオガス)においてCO2排出量を大幅に削減することは実証済みです。さらに水素利用の可能性も秘めています。」とコメントしています。

Westport Fuel Systemsの最高経営責任者であるDavid Johnson氏は、「Westport Fuel Systemsは、既存の製造インフラを活用しながら、お客様が二酸化炭素削減という喫緊の課題に手頃な価格で対処できるよう、燃料システム・ソリューションを推進しています。ボルボとの合弁事業は、世界的な炭素削減を加速するという両社のコミットメントの自然な延長であり、るこのような企業と提携できることを誇りに思います。」と述べています。

合同事業の開始は、最終的な投資契約、合弁契約、供給契約、開発契約の交渉と締結が成功することが条件となります。開始は2024年前半を予定しています。

《The Green Economy編集部》