鹿島、外構に環境配慮型コンクリート採用 建設時のCO₂を約31トン削減

鹿島は、グループ社員用の実務体験型研修施設「鹿島テクニカルセンター」の建設に自社開発の環境配慮型コンクリートを利用し、建設時におけるCO₂排出量を約31トン削減したことを発表しました。

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鹿島、外構に環境配慮型コンクリート採用 建設時のCO₂を約31トン削減
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鹿島建設株式会社は、グループ社員用の実務体験型研修施設「鹿島テクニカルセンター」の建設に自社開発の環境配慮型コンクリートを利用し、建設時におけるCO₂排出量を約31トン削減したことを発表しました。これは高さ20mの杉の木2,200本が1年間に吸収する量に相当します。

「鹿島テクニカルセンター」は横浜市鶴見区に位置し、実務体験型研修施設として使用される建物です。外構の建設時には、同社が開発した環境配慮型コンクリート「エコクリートR³」と「CO₂-SUICOM」の2種類が使用されました。

「エコクリートR³」:再生材を使用

「エコクリートR³」の原材料は、スラッジ再生セメント「Cem R³Ⓡ」(セムアールスリー)です。「Cem R³Ⓡ」は、「戻りコン」と呼ばれるやむを得ない理由で使用されずに工場に戻った生コンクリートから骨材を取り除いた後に、脱水・粉砕して製造されます。製造工程で大量のCO₂を発生するセメントの代替物として用いるため、資源循環を図りながらCO₂排出量を抑えられます。

「Cem R³Ⓡ」を50%以上使った高含有型と20%程度の低含有型の2種類があり、今回は高含有型を外構RC目隠し壁に、低含有型を基礎躯体に使用しました。これまではプレキャスト部材として使用しており、建設現場で躯体に使用するのは初めての試みです。

「CO₂-SUICOM」:製造時にCO₂を吸収・固定

「CO₂-SUICOM」は、製造時にCO₂を吸収・固定することでCO₂排出量をゼロ以下に抑制する環境配慮型コンクリートです。産業副産物と特殊混和材「γ-C₂S」(ガンマシーツーエス)をセメントの代替材料とし、セメント使用量自体を減らしてCO₂排出量を抑えます。さらに、「γ-C₂S」とCO₂を反応させて、コンクリートにCO₂を大量に吸収・固定させる炭酸化養生を行います。

また、炭酸化養生によって中性に近いpHとなるため、一般的なコンクリートに比べて土壌が高pHになるのを抑えられるのも特徴です。今回は、歩道のインターロッキングブロックや駐車場の車止め、外構緑地システムDEWレインガーデンの底板・側板に使用しました。

それぞれの使用量とCO₂削減量の内訳は、以下の通りです。

2種類の環境配慮型コンクリートの採用により、建設工事由来のCO₂排出量を合計約31トン削減できました。これは、高さ20mの杉の木2,200本が1年間に吸収する量に相当します。今後、CO₂排出削減量の「J-クレジット」を取得する予定です。

同社は開発した環境配慮型コンクリートを世界市場で展開することも視野に入れており、さらなる実用化・高度化に向けて研究開発およびサプライチェーン構築を加速していきます。

《編集部》