商船三井、カーボンニュートラルなLBMを使用した海上輸送に成功 国内初

商船三井が、家畜糞尿由来の液化バイオメタン(Liquefied Bio Methane、以下「LBM」)を舶用燃料としてトライアル使用する実証試験を伊勢湾内で実施し、成功しました。

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商船三井、カーボンニュートラルなLBMを使用した海上輸送に成功 国内初
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商船三井が、家畜糞尿由来の液化バイオメタン(Liquefied Bio Methane、以下「LBM」)舶用燃料としてトライアル使用する実証試験を伊勢湾内で実施し、成功しました。バイオマス由来のカーボンニュートラルなLBMを舶用燃料として使用することは、国内初※の取り組みとなります。

※同社調べ 日本国内における液化バイオメタンの舶用燃料向け使用実績(2023年6月)

本実証事件は2023年2月に商船三井とエア・ウォーターとの間で締結した覚書に基づき、内航LNG燃料貨物船「いせ みらい」(以下「本船」)の協力を得て実施されました。荷主は株式会社JERA、運送事業者はテクノ中部、運航者・船主は協同海運(共同船主:テクノ中部、商船三井内航)、ローリー輸送事業者はシーエナジー、バンカリング事業者はシーエナジーと協同海運、エンジン製造者はIHI原動機です。

本実証試験では、北海道十勝地方で家畜糞尿から製造するLBMを本船燃料として使用し、以下を確認しました。
1. 既存のLNGサプライチェーンでLBMを輸送可能なこと
2. 既存のLNGローリーでLBMを本船に対してTruck to Shipバンカリング可能なこと
3. 本船の既存設備でLBMを安定して利用可能なこと

LNG燃料は従来の燃料油に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量を約25%削減する効果がありますが、LBMを混合して使用することにより、更なるCO2削減効果が期待できます。また、LBM・LNGともに主成分はメタンであり、輸送や消費に関わる既存のLNGサプライチェーンを活用できるため、船舶運航における脱炭素化に向けた有効な手段となり得ます。

商船三井とエア・ウォーターは今後、LBMの内航船での船舶燃料利用に向け、互いの知見を生かし、海上輸送の低・脱炭素化に貢献していくことを目指しています。

《編集部》