石油大手シェル、年次総会に環境活動家が乱入

エネルギー大手シェルの年次総会が23日ロンドンで開催され、同社の環境方針に反対した環境活動家が会場に乱入したと複数の海外メディアが報じました。

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石油大手シェル、年次総会に環境活動家が乱入

エネルギー大手シェルの年次総会が23日ロンドンで開催され、同社の環境方針に反対した環境活動家が会場に乱入したと複数の海外メディアが報じました。

AP通信によると、数十人の抗議参加者が立ち上がって「Go to hell, Shell.(地獄に落ちろ、シェル)」とレイ・チャールズの旅立てジャック(原題:Hit the Road Jack)に合わせて歌い、総会は1時間以上も中断を余儀なくされました。

The Guardianが投稿したこちらの動画では、抗議参加者が「Shut down, Shell.」と叫ぶ様子や、一部の参加者が警備員に両手と両足をつかまれ会場から連れ出される様子も映っています。

株主も反発を強める

総会では株主の約5分の1が、シェルに対し、ガソリン、ジェット燃料、天然ガスなどの同社製品の燃焼から生じるスコープ3を含めたCO2排出量についてより野心的な削減目標の設定を強制する決議に賛成票を投じたとCNNが報じています。

シェルの株主のひとつである英国国教会は23日声明を発表。「2022年には記録的な利益を上げ、同業他社の中で最高額の250億ドルの設備投資を行っているにもかかわらず、再生可能エネルギーと低炭素エネルギーへの設備投資は未来を形づくろうとしている企業が予想するよりもはるかに低い。(中略)独立した分析によれば、2050 年目標の重要性は認識しているものの、短期および中期目標は依然として不十分である。」とシェルの環境方針が不十分であるとの考えを示しました。

これに対して同社の広報は「シェルの環境目標はパリ協定の目標と一致している」「この決議案と、それを支持することに強く反対する」とコメントしていると報じられています。

《The Green Economy編集部》