日本ゼオンと横浜ゴム、植物由来エタノールからブタジエン生成の実証設備を建設へ

・日本ゼオンと横浜ゴムが植物由来エタノールからブタジエンを高効率生成する技術の実証設備を建設
・2026年から稼働開始し、量産化に向けたデータ収集を行う
・NEDOのグリーンイノベーション基金事業に採択された研究開発テーマの一環

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日本ゼオンと横浜ゴム、植物由来エタノールからブタジエン生成の実証設備を建設へ

日本ゼオン株式会社と横浜ゴム株式会社は、植物由来などのエタノールからブタジエンを高効率で生成する技術を実証するためのベンチ設備を、日本ゼオン徳山工場(山口県周南市)内に建設することを決定しました。設備は2026年から稼働を開始し、ブタジエンの確保並びに量産化に向けたデータを収集していく予定です。

本取り組みは、2022年に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」に採択された研究開発テーマの一つです。両社は、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立大学法人東京科学大学、および国立研究開発法人理化学研究所の協力のもと、植物原料などからブタジエンおよびイソプレンを高効率で生成する2つの技術の社会実装を目指しています。それぞれ、事業化の目標は2034年です。

植物原料由来などの合成ゴムを量産化する技術の確立に向けて、今回の実験では、植物原料由来などのエタノールを高効率な触媒によってブタジエンに変換する技術を実証します。日本ゼオンはベンチ設備で生成したブタジエンからポリブタジエンゴム(ブタジエンゴム)を試作。横浜ゴムは、ブタジエンゴムを使用したタイヤの試作および走行テストを実施します。

両社は、培ってきた技術やノウハウを融合することで、タイヤ・ゴム産業におけるサーキュラーエコノミーとカーボンニュートラル化を推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく方針です。本プロジェクトは、2050年カーボンニュートラル実現という国の目標達成に向けた重要な取り組みの一つであり、今後の進展が注目されます。

《編集部》

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