三菱UFJが化石燃料融資で世界4位…米環境NGO、「化石燃料ファイナンス報告書 2024」公開

・三菱UFJが化石燃料融資で4位
・みずほが2023年の融資額で2位
・環境NGOが銀行のグリーンウォッシュを指摘

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三菱UFJが化石燃料融資で世界4位…米環境NGO、「化石燃料ファイナンス報告書 2024」公開
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米国の環境NGO「レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)」をはじめとするNGO団体らが、「化石燃料ファイナンス報告書2024~気候カオスをもたらす銀行業務~」を発表しました。本報告書は、世界の主要民間銀行60行による化石燃料産業への融資・引受を詳細に分析したものです。今回は新たな方法論を採用し、主幹事銀行の取引信用額に加えて、取引に参加した各行の資金支援も明らかにしました。

報告書によると、パリ協定採択後の2016年から2023年の8年間で、銀行から化石燃料産業に約6.9兆米ドルが提供され、その約半分となる約3.3兆ドルが化石燃料拡大のために投入されていました。「化石燃料全部門」への資金提供額では、米国と日本の銀行が上位を独占しています。「化石燃料拡大企業」部門1位はシティで、約2,040億ドルを提供しました。

2023年単年の提供額は約7,050億ドルで、化石燃料拡大企業への提供額は約3,470億ドルに上ります。同年の「化石燃料全部門」と「化石燃料拡大企業」では、JPモルガン・チェースが1位でした。

日本3メガバンクの資金提供

日本の3メガバンクが、「2023年の資金提供」と、「パリ協定後の資金提供」のどちらでもワースト10に入りました。特に三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)はパリ協定後の「化石燃料全部門」への資金提供で4位となり、約3,077億ドルを提供しています。

みずほフィナンシャルグループ(みずほ)は2023年の「化石燃料全部門」と「化石燃料拡大企業」への資金提供で2位にランクインしました。三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)も8位に位置しています。2023年の60行の資金提供額が前年比で9.5%減少した中、みずほは約5%増加しました。MUFGは12%減少しましたが、依然として高水準にあることに変わりはありません。

また、3行は、同年の「化石燃料拡大企業」、「メタンガス(LNG))」、「北極圏の石油・ガス」、「超深海の石油・ガス」部門への資金提供額でワースト10に入りました。特に「メタンガス(LNG)部門」では、みずほ1位、MUFG2位と続き、前年比で大幅な増加を見せています。

RANリサーチ&方針マネジャーのエイプリル・メルロー氏は、銀行が化石燃料産業に対して多額の資金を提供し続けていること、グリーンウォッシュを作り出していることを強調し、これが気候変動に対する取り組みと矛盾していると指摘。RAN日本シニア・アドバイザーの川上豊幸氏は、「日本の3メガバンクは、累積の資金提供額でも2023年単年でも上位を占めている」と述べ、特にLNGセクターでの資金提供が突出していることについて、温室効果ガス排出量が大きいと問題提起しています。

賛同を示す団体である気候ネットワーク プログラムやマーケット・フォース、国際環境NGO 350.orgらも、銀行に対して気候変動対策の強化を求める株主提案を提出しており、持続可能な再生エネルギーへの転換を進める必要性を訴えています。本報告書の完全なデータセット(英語)は、 https://www.bankingonclimatechaos.org からダウンロード可能です。

《編集部》