NTTとキヤノン、日立がAI活用でビル空調最適化の実験 エネルギー消費16%削減

・AI空調で16%省エネ
・快適性維持を確認
・サービス化を目指す

テクノロジー エネルギー
NTTとキヤノン、日立がAI活用でビル空調最適化の実験 エネルギー消費16%削減

株式会社NTTデータ、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、株式会社日立製作所は、AIを活用した空調最適化により、ビルの快適性と省エネの両立を目指す実証実験の結果を公開しました。本実験は2024年3月22日から29日の期間、日立ビルシステムの亀有総合センターで実施。快適性を示すPMV値を-0.5~+0.5の範囲に維持しつつ、空調関連のエネルギー消費量を平均16%削減するという成果が得られました。

地球温暖化対策計画に基づき、2030年度のエネルギー起源CO₂排出量を2013年度比で51%削減する目標が掲げられており、オフィスビルにおける電力消費量の約49%を占める空調関連の電力消費量削減が課題となっています。従来は後追い式で現在の状態を目標に近づける「フィードバック制御」が一般的でしたが、時間がかかる上に適切な設定温度にならないことが多く、エネルギー消費量の増加につながっていました。

NTTデータが開発した「HUCAST」は、AIの予測を基に室内環境を再現し、快適性(PMV評価)と消費エネルギー量を考慮した先回り式の空調運転を実現する「フィードフォワード制御」を採用しています。本実証では、キヤノンMJのネットワークカメラおよび映像解析ソフトウエア「Crowd People Counter」を組み合わせた人流解析ソリューションと日立のビルIoTソリューション「BuilMirai」を活用し、人流データと外気温データ、室内温度データを一元管理し、AIと連携して空調を制御しました。

本実験でAIを活用した空調制御の有効性が確認されたことを受け、3社はサービス化を目指すとともに、さらなる精度向上のために検証を続けていきます。オフィスのウェルビーイングの向上と、ビルのエネルギー最適化を通じて、カーボンニュートラル達成に貢献していく予定です。

《編集部》