持続可能性への貢献は1位民間企業、2位NPO…JCNEが信頼性に関する意識を調査

・民間企業が信頼度1位、政府は最多得票で不信
・NPOは倫理観で高評価、財政透明性で課題も
・情報公開がNPO信頼獲得の鍵、認知ギャップも

データ・リサーチ リサーチ
持続可能性への貢献は1位民間企業、2位NPO…JCNEが信頼性に関する意識を調査
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公益財団法人 日本非営利組織評価センター(JCNE)は、全国3,000名を対象に行った「NPOの信頼性についての意識調査」の結果を発表しました。本調査は、NPOに対する市民の信頼性の実態や信頼を獲得する方法、信頼意識と寄付意向の関係性を明らかにすることを目的としています。

調査結果(抜粋)

民間企業が信頼度1位、政府は不信が最多

調査結果によると、信頼できる組織として民間企業が24.5%で1位に選ばれました。NPOは20.2%で続き、政府は13.2%、マスメディアは12.4%です。特に政府に対する不信感は顕著で、28.2%が「信頼していない」と回答。政府と民間企業との差は約4倍にも上りました。

持続可能性への貢献は、民間企業がトップ

SDGsの取り組みが進む中、社会の持続可能性へ貢献している組織としては、「民間企業」と回答した人が30%で最多の結果となりました。続く「NPO」は22.9%で、民間企業との差は7.1%です。総合的な信頼度・コンプライアンス遵守に関する信頼度それぞれと比較しても、最も大きな差があり、NPOの持続可能性が課題視されています。

NPOは問題への対応や倫理観で高評価、財政透明性で課題

2023年に起きた自然災害やガザ紛争などの問題への対応について、21%が「NPOを評価している」と答えており、最も評価されていました。続く民間企業は17.8%、政府16%、マスメディア14.2%となっています。

NPOは倫理観に関しても24.3%の支持を得ており、最も信頼されていました。

しかし、NPOの財政面の透明性については14%と、民間企業の17.1%より評価が低く、改善が求められています。

NPOの認知ギャップ

信頼できる具体的なNPOがあるか聞くと、「ある」と回答した人は12.1%で、87.9%は信頼できるNPOがないことが判明しました。冒頭の質問では20.2%がNPOを信頼できると回答しており、全体的なイメージと「具体的に信頼できる団体の認知」にギャップがあることがわかります。

全体の77.7%存在した寄付をしていない人(ふるさと納税を除く)のうち、10.6%は「信頼できるNPOがない」と感じており、情報不足が寄付意向に影響していることがわかります。16.6%は「寄付をした後の効果が見えにくい」という理由で寄付をしていません。

情報公開が信頼獲得の鍵

信頼できるNPOに必要な要素として、56.1%が「情報公開」55.4%が「問合せ窓口の存在」を挙げました。団体の知名度や規模よりも、情報アクセスのしやすさが重要であることを示しています。

賛同するNPOの情報で見たことがあるものは、「ホームページ」が14.2%、「活動報告書」が10.2%でした。約6割が「見たことがない」と答えており、JCNEは情報の透明性と共にホームページなどへのアクセス増加が信頼性向上に結び付くという見解を示しています。

本調査は、NPOが市民からの信頼を獲得し、社会課題解決に向けてさらなる進展を遂げるためのひとつの指標となるものです。また、民間企業は、組織および持続可能性への貢献度について信頼を得ていることがわかる結果となっており、SDGsの目標である2030年に向けて取り組みをリードする責任を再確認したのではないでしょうか。

JCNEは、今後も「NPOに関する情報源」「NPOを選ぶ際の重視ポイント」「市民による寄付の最新動向」などを発表する予定です。本調査報告書の詳細は、JCNEの公式ウェブサイトで公開しています。

《編集部》