日立ら3社、異なるソリューション間でのCO2排出量データ連携に成功 PACT実証実験

株式会社日立製作所は、株式会社野村総合研究所およびEIZO株式会社と共同でWBCSDのPACT実証実験を行い、CO2排出量のデータ連携を完了しました。

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日立ら3社、異なるソリューション間でのCO2排出量データ連携に成功 PACT実証実験

株式会社日立製作所は、株式会社野村総合研究所(NRI)とEIZO株式会社と共同で、WBCSD(World Business Council for Sustainable Development:持続可能な開発のための世界経済人会議)のPACT(Partnership for Carbon Transparency:炭素の透明性のためのパートナーシップ)実証実験を実行い、CO2排出量のデータ連携を完了しました。

2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、サプライチェーン全体の脱炭素化が進められています。しかし、サプライチェーンに属する当事者がCO2排出量の算定にそれぞれ異なるソリューションを利用しているケースも多く、データ連携を行うための共通的なデータフォーマットや接続方式などが確立されていないため、苦慮するケースが増えています。

2023年5月より実施した本実証ではNRIがリード企業として、日立はストレージを、そしてEIZOはデスクトップモニターをそれぞれ供給するサプライヤーとして、実測値に基づく製品製造におけるCO2排出量のデータ連携に取り組みました。今後、世界規模での環境データ連携を実現するにあたり、サプライチェーン上のエコシステム形成に向けた先進的な取り組みとなります。

NRIは同社が開発した温室効果ガスの排出を追跡するカーボントレーシングシステム「NRI-CTS」を使用しており、EIZOも同システムを用いて算定を行いました。一方、日立は、サプライチェーンにおける脱炭素の推進を支援するソリューション「EcoAssist-Pro/LCA」を使用しています。

「EcoAssist-Pro/LCA」の算定結果を、「Pathfinder Network」のAPIを介して、製品の出荷先であるNRIの「NRI-CTS」に提供することにより、異なるソリューション間でのCO2排出量のデータ連携に成功しました。なお、実証実験に先立ってNRIと相互接続テストを完了しており、日立の「EcoAssist-Pro/LCA」は「Pathfinder Network」に準拠したソリューションとして認定されています。

世界最大級の気候変動イベント「Climate Week NYC」の関連イベント「Scope 3 Summit - From uncertainty to imPACT」では、本実証実験の報告を行う予定です。日立は、本実証を通じて得られたノウハウをもとに、グローバルなサプライチェーンデータベースへの接続ならびにデータ連携の実証にも参画し、ソリューション提供企業との連携や官民協力にもより注力していきます。

《編集部》