アストラゼネカ、2030年までに2億本の植樹を目指し4億ドルを投資

バイオ・医薬品企業のアストラゼネカは、森林再生プロジェクト「AZフォレスト」の取り組みを強化するため、4億ドル(約578億円)の投資を行うと発表しました。

企業動向 投資
アストラゼネカ、2030年までに2億本の植樹を目指し4億ドルを投資

バイオ・医薬品企業のアストラゼネカは、森林再生プロジェクト「AZフォレスト」の取り組みを強化するため、4億ドル(約578億円)の投資を行うと発表しました。

「AZフォレスト」は、専門家と地域社会とのパートナーシップを通じて、2030年までに2億本の樹木を植樹しそれを維持するという、同社のコミットメントです。本プロジェクトは、同社の主要なサステナビリティ戦略「アンビション・ゼロカーボン」の一環として位置づけられています。

2020年には「AZフォレスト」の取り組みとして、「2025年までに5,000万本以上の植樹を行い、それを維持する」と発表しており、今回は目標をより強化しています。同社はこれまで、オーストラリアやインドネシア、フランス、イギリス、アメリカなどで、300種以上の樹木の植林を進めてきました。世界的なパンデミックの中でも、2022年末の時点で、1,050万本以上の植樹を済ませています。

今回の発表には、ブラジル、インド、ベトナム、ガーナ、ルワンダでの新規または拡充プロジェクトが含まれており、10万ヘクタールに及ぶ範囲で展開する計画です。拡充プログラムにより、約8万人の生活にポジティブな影響を及ぼすと推定されています。

一例を挙げると、インドでは、「AZフォレスト」とEarthbancおよびインド島北部メガラヤ州各地域の実動パートナーとのパートナーシップにより、多様な種をミックスした樹木を推定6,400万本植樹する予定です。生物多様性の破壊が進んだ自然を復元し、農業生活基盤を支援します。同社のプレスリリースでは、その他の国での植樹プランや、これまでの実績についても詳しく紹介しています。

同社は「AZフォレスト」を通じて、2030年までに1兆本の樹木を保護・再生・育成するという目標に向けた官民パートナーシップによる世界経済フォーラムの「1t.org」に貢献していくことも、表明しました。今後も、気候変動への対応、自然の再生、生物多様性の促進、そして生態系と地域社会の回復力の構築に貢献することが期待されています。

「アンビション・ゼロカーボン」

アストラゼネカは、2026年までに事業活動と営業車両からの温室効果ガス(GHGs)排出量を2015年比で98%削減します。カーボンフットプリント(Scope 3)を半減することで、2030年までに全バリューチェーンの絶対排出量を2019年比で90%削減し、遅くとも2045年までにはネットゼロを達成することが目標です。

また、2030年以降、「AZフォレスト」を通じて、大気中の排出残留物を除去することを目指しています。

《編集部》