武田薬品、オリックス環境、JR貨物が環境負荷低減に向けて連携

武田薬品工業株式会社、オリックス環境株式会社、日本貨物鉄道株式会社は、武田薬品が製造する医療用医薬品の製造過程で生じるPTP※1 包装廃材のリサイクルとその輸送における、環境負荷低減に取り組むための企業間連携を進めると発表しました。

企業動向 ガバナンス
武田薬品、オリックス環境、JR貨物が環境負荷低減に向けて連携

ポイント

  1. 武田薬品が、製薬企業として国内で初めて廃棄物処理委託によるPTP包装廃材の再生利用、および輸送手段のモーダルシフトに取り組む。

  2. オリックス環境が、国内で初めてPTP包装廃材などの剥離に伴う産業廃棄物処分業の許可を取得し、武田薬品のPTP包装廃材を再生利用する。

  3. JR貨物が、PTP包装廃材の輸送において、CO2排出量がトラック輸送よりも少ない貨物鉄道輸送サービスを提供する。

武田薬品工業株式会社、オリックス環境株式会社、日本貨物鉄道株式会社は、武田薬品が製造する医療用医薬品の製造過程で生じるPTP※1 包装廃材のリサイクルとその輸送における、環境負荷低減に取り組むための企業間連携を進めると発表しました。

今回の連携を受け、3社は、以下の取り組みを2023年6月1日より開始します。

武田薬品は、産業廃棄物処分業許可を有するオリックス環境に委託し、廃棄物処理委託によるPTP包装廃材の再生利用(マテリアルリサイクル)を、製薬企業として国内で初めて※2 開始します。武田薬品の光工場から排出される年間約101トンのPTP包装廃材のうち約95%にあたる約96トンを再生利用する予定です※3。武田薬品はこれまで、自社工場から排出される産業廃棄物の処理を外部委託するPTP包装廃材は、焼却のうえ、焼却時の熱エネルギーの回収および残渣の再利用をするサーマルリカバリーを行ってきました。今後は、PTP包装廃材のプラスチックとアルミニウムという異なる材質を完全剥離することで、アルミニウム、プラスチックとしての再生利用を進めていきます。

オリックス環境は、2023年1月~3月の期間、剥離設備を使って武田薬品のPTP包装廃材の実証実験を実施しました。その結果、プラスチックとアルミニウムを完全に剥離※4 し、再生利用が可能であることを実証しました。2023年5月11日には国内で初めてPTP包装廃材などの剥離に伴う産業廃棄物処分業の許可を取得※5 しています。

JR貨物は、環境負荷の小さい貨物鉄道輸送サービスを提供します。PTP包装廃材について、これまでのトラック輸送に替えて、武田薬品の光工場(山口県光市)からオリックス環境の産業廃棄物処理工場(千葉県船橋市)への輸送の大部分でJR貨物による輸送への切り替え(モーダルシフト)※6 を行い、CO2排出量の削減に努めます。具体的には、武田薬品光工場でPTP包装廃材をJR12ftコンテナに積載して、新南陽駅(山口県周南市)から隅田川駅(東京都荒川区)まで貨物鉄道輸送を行います。

※1 Press-Through Package。海外ではBlister Packaging。プラスチックシートにアルミを張り付けた1枚のシートの中に、錠剤やカプセルを閉じ込めた包装シートのこと
※2 5月25日武田薬品調べ
※3 昨年実績に基づく算出
※4プラスチックの複合材を使用しているPTP包装廃材を除く
※5 5月25日オリックス環境調べ
※6 トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換すること。輸送分野のCO2排出を大幅に削減できる。

《The Green Economy編集部》