2021年の温室効果ガス排出量は4.6%増加

アメリカの調査会社Rhodium Groupが世界の温室効果ガス(GHG)排出量に関する調査を発表しました。この記事では2022年12月19日に発表されたレポートを参考に、コロナ禍におけるGHG排出量について解説していきます。

データ・リサーチ リサーチ
2021年の温室効果ガス排出量は4.6%増加
  • 2021年の温室効果ガス排出量は4.6%増加
  • 2021年の温室効果ガス排出量は4.6%増加

アメリカの調査会社Rhodium Groupが世界の温室効果ガス(GHG)排出量に関する調査を発表しました。
この記事では2022年12月19日に発表されたレポートを参考に、コロナ禍におけるGHG排出量について解説していきます。

2021年の温室効果ガス排出量は4.6%増加

同調査によると、2021年のGHG排出量は、前年と比較して4.6%増加しました。主な要因は、コロナ禍に縮小されていた社会・経済活動が再開されたことにあります。

コロナ禍以前の2019年から2020年にかけて5%減少したことを鑑みると、完全ではないものの以前の水準に戻りつつあることが分かります。

上位8か国で排出量の6割以上を占める

2021年のGHG排出量を国別に比較すると、日本を含む上位8か国が6割以上を占めていることがわかります。

とくに中国は、1か国で世界で排出されるGHGの3割近くを占めており、アメリカ(11%)、EU(7%)、インド(7%)と続いています。

排出増の要因は異常気象と石炭依存

排出量がコロナ以前の水準に逆戻りした要因は、地域によって異なるとレポートでは発表しています。

ヨーロッパやアジア地域では、例年より寒い冬と暑い夏により、石炭や天然ガスなどの化石燃料需要を高めたとしています。

また天然ガスよりも石炭が安価な中国やインドでは、石炭使用の増加がCO2排出量増加の主な要因でした。とくに中国では化石燃料消費のうち66%を石炭が占め、コロナ禍真っ只中の2020年2021年においても、連続して増加傾向にあります。

【ちょっと深堀:燃料別のCO2排出量】

化石燃料はCO2排出量が大きく、再生可能エネルギーの利用が進められていますが、その中でも石炭は排出量が多いです。

発熱量あたりの炭素排出量を表す排出係数を比較すると、石炭(無煙炭)が0.0245tC/GJ、原油が0.0187tC/GJ、液化天然ガス(LNG)が0.161tC/GJとなっています。

参考:環境省HP 排出係数一覧

《The Green Economy編集部》