鹿島建設株式会社は、愛知県名古屋市で開発中の中規模オフィスビル「名古屋伏見Kフロンティア」において、建材の製造から解体までのライフサイクル全体でのCO2排出量(エンボディドカーボン)を35%削減することに成功したと発表しました。
今回報告した削減率は、同社が「鹿島環境ビジョン2050plus」で掲げる2030年のサプライチェーン排出削減目標25%を上回る成果です。算定には、鹿島が独自に開発したCO2排出量算定システム「Carbon Foot Scope」を活用しました。
具体的な削減策として、旧建物の地下躯体を山留めとして有効利用し、基礎杭および掘削・山留め数量を削減。また、CO2排出量の少ない高炉セメントコンクリートや、独自の環境配慮型コンクリート「エコクリートR3」「エコクリートECM」を一部採用しています。
■旧建物の地下躯体を利用した現場施工

■エコクリートECMプレキャスト床版部材

施工段階では、フォークリフトに植物由来の次世代型バイオ燃料「Renewable Diesel」を一部採用。さらに、一般の商用電力から再生可能エネルギー由来の電力に切り替えるなど、きめ細かな対策を講じています。
■Renewable Dieselの利用

本物件は、高いエネルギー効率を持つ「ZEB Ready」認証を取得しました。さらに、建築環境総合性能評価システムCASBEEにおける最高ランク「CASBEE-建築 Sランク」、健康性・快適性の指標「ウェルネスオフィス」の最高ランク「CASBEE-ウェルネスオフィス Sランク」も取得しており、環境性能と快適性を両立したオフィスビルとなっています。

「名古屋伏見Kフロンティア」は、延床面積約25,811㎡、地上13階・地下1階建てで、2025年10月の竣工を予定しています。今後、この物件で得られた知見を活かし、鹿島は様々な建築プロジェクトにおいてCO2排出量削減に取り組んでいく方針です。
建設業界の環境対応が注目される中、鹿島の取り組みは具体的な成果を示した好例となります。今後、他社の追随や新たな技術開発など、業界全体での取り組みがさらに活発化していくことが期待されます。