英エネルギー大手・BP、三菱重工などが、グリーン水素製造の米スタートアップに1,250万ドル グリーン水素を安価に

イギリスの大手エネルギー企業・BPや三菱重工などが、アメリカのスタートアップ、Advanced ionicsに出資したことが判明しました。

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英エネルギー大手・BP、三菱重工などが、グリーン水素製造の米スタートアップに1,250万ドル グリーン水素を安価に

イギリスの大手エネルギー企業・BPや三菱重工などが、アメリカのスタートアップ、Advanced ionicsに出資したことが判明しました。

Advanced ionicsは、低温の水蒸気(100℃~)を利用することで、従来の水電解装置より30%以上少ない消費電力での水素製造を可能とする水蒸気電解装置を開発しています。従来のグリーン水素生産ではコストと電力が大きな課題でしたが、Advanced ionicsの水蒸気電解装置は、工業廃熱を活用してより安価な、具体的には1キログラム当たり1ドル未満のグリーン水素の製造を目指しています。

今回の資金調達はイギリスのエネルギー大手BPの子会社、BP Venturesが主導し、三菱重工の米国統括拠点の米国三菱重工業(MHIA: Mitsubishi Heavy Industries America, Inc.)、アメリカのClean Energy Ventures、GVP Climateなどが合計1,250万ドルを出資しました。今回投入された資金は、Advanced ionicsの水蒸気電解装置「Symbion」の小規模導入を加速するために活用されます。

出資にあたりBP VenturesのGareth Burns氏は「アドバンスト・アイオニクスの技術には、コストを削減し、水素市場を大きく変革する可能性がある」「我々はAdvanced ionicsが次のステージへ進むのに協力できることを嬉しく思う」とコメントしています。また、三菱重工グループは、今回の出資を通じ、水素バリューチェーンの多様化につながる将来の革新的代替技術の1つとしてAdvanced ionicsの取り組みを支援し、三菱重工グループのエナジートランジション事業の強化につなげていくとしています。

《The Green Economy編集部》