ロンドンとニューヨークに拠点を置くESG Bookの最新調査によると、米国とカナダの企業は、世界のほかの地域と比較して国連が定める環境基準に違反するリスクが3倍高いことが判明しました。
分析は世界最大のサステナビリティイニシアチブである国連グローバル・コンパクトを基準に、重要なESGトピックに対する企業の開示とデータに基づいて行われました。
調査対象となった10,000社以上の企業のうち、国際協定に抵触するリスクが高いとされた企業の60%が米国企業でした。地域別ではアジア企業の15%がグローバル・コンパクトの普遍的原則を侵害するリスクを抱えています。これは韓国(28%)、日本(19%)、中国(16%)の企業が牽引しており、特に腐敗防止の違反リスクが高い傾向があります。一方でヨーロッパ企業は、北米やアジアに比べて違反の可能性が低い結果となりました。
ESG BookのCEO Daniel Klier博士は、「リスクの考慮は、ESG投資と運用に関する明確な意思決定に不可欠です。一方で、現在利用可能な分析や格付けの多くは一貫性がなく、一面的で、ブラックボックス的な手法に基づくことが多いです」とコメントしています。